中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

中国民族楽器とアフリカンドラムのライブ

 土曜日、上海は晴れ時々曇り。気温は 28度で安定した暑さ。いよいよ季節が切り替わったらしい。
 さて例によって土曜日は朝から静安寺のヤマハである。PMCドラム科のグループレッスン講師を 1時間。今日はなんと生徒が出張等で皆んな都合が悪くて、結局 1名しか参加できなかったので『個人レッスン』である(苦笑) ま、そんな日もあるさ。
 そしてその後は伊犁路x古羊路のビストロフィオーレに行って昼食。午後 2時からは地下の LLバーにてドラムの個人レッスン 2コマ 2名を教える。
 午後 4時に終了した後は、ドラムセットをバラして倉庫にしまい、そのまま夜のライブの仕込みである。今日はココで『汾阳路乐队』というバンドのライブ PAを頼まれているのだ。なんでも二胡と琵琶とアフリカンドラムとピアノ?という不思議な構成らしい。
 とりあえず考えられる全ての状況に対して臨機応変に対応できる様にセッティングを行ってみた。

 やはり昨夜機材を搬入しておいて良かった。PA屋は実際の音響作業の前に『搬入』〜『仕込み』という重労働があり、大体コレだけで半分くらいのエネルギーを削がれてしまうのだ。今回はウチの機材たちオールスター?で、アンプやスピーカー類の大モノを除けば、ほぼ総出演ゆえ、40kgを越える機材が 2つも有るのだ。コレを一人で運ぶので、本来なら移動だけでヘトヘトになるが、昨日運んでおいたので控え室から引っ張り出すだけなので超絶楽チンである。
 今回は新入りも含め、電波物のオモチャがいっぱいでナニゲに楽しい(笑)

 トラブルが起きた時に問題の切り分けが面倒なので、ワタクシはマイクやケーブル類もなるべく自前のものを使う事にしている。セッティングは面倒だが、こうする事でリスクを極力回避できるので最終的に時短に繋がるからだ(自分のケーブルは自分でメンテしているので必ず生きているし、且つノイズに対する耐性にも自信があるからね)
 そして怒濤のリハーサルも無事終了。パーカッションは見たことない楽器が沢山並んでいてマイクの方向に気を遣った。基本的に全編を通して一番使う『ジャンベ』は 57で拾い、低域が足りない分は予めベースアンプにローパス EQをかけてサブとして BUS分けしておいたので、そちらに送って補強。しも手側に有る変な音がする黒い壺みたいな楽器とシンバル類は X-Y型のワンポイントステレオのコンデンサーで狙う。そして上手側にあるスティールパンみたいな楽器は想像よりずっと音量が小さかったので、本来二胡用の予備として立てておいた 57で個別に狙った。
 二胡は今までの経験から SHUREの BLXワイヤレス+ピンマイクでサクっと十分良い音が作れたのだが、問題は琵琶である。コレがホント鳴らない。リハ開始時は Beta57だけで作ろうと思っていたのだが、音量が足りないのでマイクを近付けたいのに『演奏の邪魔になる』と仰って全然近付けさせてもらえないから低域が全然拾えない。当然ながらペラっペラな音なので EQで何とか作ろうとしても絶対的な音量が足りないからハウるハウる(困) そこでワタクシ的な秘密兵器の登場である。奏者に許可を得て自前の小型『ピエゾ』ピックアップをボディに貼らして頂いたのだが、コレが素晴らしい効果!! 予想通り…とは言え、我ながらニヤけてしまう程『生き生きとした』低音〜中音が拾えるじゃないか。高域を横に立てている Beta57で補強するだけで完璧に近い音が作れた。う〜ん!ヲレってステキ!…と自画自賛モード(笑)中国琵琶って基本的にソリッドで中空構造では無い(あるいはとても狭い?)ので、ボディ自体が殆ど響かないのだ。そういう楽器にはピエゾが合う…という事を改めて実感。中空じゃなければアコギみたいに低音が響きまくってハウる事も無いしね。
 そんなワケで本番である。楽器的には非常に面白い組み合わせだが、奏者が皆演奏が上手いのでフツーに感動した。とてもダイナミックレンジが広いので、緊張感もひとしお。静かなシーンでは絶対にハウれない現場(笑)

 メインの卓はワタクシの愛機 XR18である。

 演奏も徐々に盛り上がって、中々スリリングでワクワクするライブである。PAしてて楽しい!

 修了後は、二胡の奏者と琵琶の奏者に「今日はありがとう!本当に良い音で演りやすかったわ!」なぞと言って貰え、お世辞でも嬉しかった。演奏者に褒めて貰えるのが一番嬉しい。この一言の為に苦労している…と言っても過言では無い。
 バラしの後は、店長の taroさんに誘われて『捞王』という火鍋屋に連れて行って頂き、午前2時くらいまでプチ打ち上げ。

 いやぁ…長い一日でとても疲れたケド、やり甲斐があって充実した現場だった。
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