中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

月餅の季節とAR

 月曜日、上海は晴れ時々くもり、気温は27度。秋真っ盛り、実に良い季節である。上海は1年で今頃が一番良い季節かもしれない。
 朝はいつも通り午前 7時くらいに息子に起こされて、バタバタの朝を横目でボンヤリと眺めつつ、一度目覚めてしまうと二度寝できない損な体質ゆえ、そのままムックリと起きて、昨日持ち帰った機材類の整理を行う。ケーブル類とマイク類がちゃんと揃っているかを確認して、改めてケースにしまい込む。自前の機材を多く出すと、往々にして何か無くなっている場合が多いので注意が必要。
 そしてその後はフツーに出社してデスクワーク。ファンファーレのK尻さんの台詞を借りれば『PC作業員』を数時間。
 暫くしたらウチの社長が何やら変なタイコ型の物体を持って部屋に入ってきた。

 何かと思ったら『月餅』だった。中国では中秋節に月餅を送り合う習慣があるのだ。まぁ言わば日本で言うところの『お歳暮』みたいなモノである。
 そしてコレはいつもお世話になっている某 B社からの月餅だそうな。中も結構凝っていて二重構造になっているらしい。いやはや芸が細かい。中々かわいいじゃ無いか。

 さて、べつに B社から月餅を頂いたから…というワケでは無いのだが、相変わらずゲームはデレステばっかり遊んでいるワタクシである。 先般ネットを見ていたら「最近追加された AR機能が意外と面白い」…と噂になっていたので、せっかくなので遊んでみる事にした。
 ARとは『Augmented Reality』の略で、つまりは『拡張現実』の事である。現実には存在しないアニメやゲームの中のキャラクターと実際に現実世界(デジタルカメラやデジタルビデオ等)とを上手く融合して、まるで実際のこの世界にゲームキャラが存在して生き生きと動いている風な仮想現実を作ることができる…という事だ。
 何の説明も読まずに起動したので、最初はワケが判らなかったが、起動すると iPhoneの内蔵カメラが自動的に起動し、フツーに外の景色が映る。そして地面のあたりに四角いアイコンが現れるので、キャラクターを置きたい場所に合わせてタップすると、なんと!イキナリ『しぶりん』が現れた。スゲー。なんか面白い。ふつーにウチの会社に挨拶に来てくれた?感じ?(笑)

 コレ、静止画だと単なる合成写真にしか見えないが、この3Dモデルは常にリアルタイム演算で動いている。メニュー画面から曲を指定すれば、そのまま一曲その場で踊ってくれるわけだ。でもまぁコレだけなら「単なる合成じゃん?コレの何が面白いの?」って感じなのだが、実はコレの凄さは別の部分にある。
 何が新しいか?というと、ちょっと乱暴に言うと、概念が『真逆』なのだ。フツーのゲームやビデオは、画面の中のキャラが動いているのを、プレイヤーが固定した手の中のスマフォから眺める…というのが当たり前だが、コレはキャラを固定した後は、画面を持った人が動いて楽しむ…というモノなのだ。
 最初に画面をタップしてセットした足の位置をそのままに、カメラを動かせば被写体に寄ったり離れたり、後ろ側に回ったり上から覗いたり…と、実際にそこに本当に人が立って踊っているかの様なカメラワークを楽しめるのである。うーむ。。。何じゃコりゃ? 座標情報はどこから拾っているのだろう?? iPhoneゆえ特別な専用のセンサー等は無いから、カメラと現実世界はモチロン繋がっていない。 …つまりカメラから得られた画像情報のみを利用し、演算でリアルタイムに座標情報に変換している…という事か? あるいはGPSやら方位磁針やらジャイロセンサー?まさかねぇ。 いやぁ…実に不思議である。単純に後ろの映像と合成するだけなら簡単だが、カメラを離すとキャラも小さくなるし、カメラを持ってキャラの周りを360度回ってみても、キャラは最初に指定した場所を動かないから、背中側から見たり、肩越しに見える景色を共感したり!? できるのだ。サスガに近寄りすぎると突き抜けちゃうから「寄り過ぎです、離れて下さい」というエラーメッセージが表示されて画面が消える…という徹底っぷり(突き抜けたらシラけちゃうものね)
 ホント、何というか、技術的に凄い…というのを通り越えてチョット『呆れて』しまったよ。こりゃキャラクターのファンにとってはタマランだろうなぁ。妄想が止まらんだろうきっと。 コレを使ってダンスをさせてる時にカメラで被写体に寄ってみると、もうね、汗が飛んでくるくらい凄いのだ。それこそ息づかいが聞こえるほど。
 いやはや、世界は一体どこに向かっているのだろうか…。大きなお世話かもしれんがオヂサンはチョット余計な心配をしてしまうよホント。
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