中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

重慶公演も無事終了

 土曜日、重慶は曇り。気温は見なかったので判らないが、会場内は丸一日カナリ暑かったので外も結構暑かったんじゃないかな?

 今日は日本の某アーティストのアジアツアーの重庆公演(弊社主催)の本番日である。朝 9時から会場に乗り込んで仕込み。
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 何せ我々としても『重庆』でのイベント開催は初めてである。会場も勿論初めてなので、色々と勝手が違って非常に苦労した。何がタイヘンって特に音響周りである。メインスピーカーは現地製の見たこと無いメーカーのラインアレイ&サブだったし、卓は ALLEN & HEATHの Qu-32というデジ卓で、何というか『超小型?』(笑)で、普段、我々が主催している様な(日本から乗り込みのエンジニアさんがやってくる様な)規模の現場では中々お目にかからない卓だったのだ。
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 今回乗り込みの日本の PAエンジニアさんは百戦錬磨のベテランエンジニアさんだったのだが、その方も初めて触る卓だったらしくセッティング時間も短い事もあって中々タイヘンだった。一つ一つ現地の担当者に「アレはどう呼び出すの?」「この機能ってある?」と一々確認しなければならないのだが、まぁコッチのエンジニアさんは『責任感』という意味では実に中国的!?で、基本的に『不親切』なので普段以上に時間がかかってしまうワケだな。ワタクシもずっと PA卓の横に貼り付いて通訳に徹していれば良かったのだが、自社主催イベントは色々とヤル事も多く、気になる事も多いのでついつい『呼ばれた時だけ』対応になってしまった事を反省している。次回はこういう事が無い様に気を付けようと思う。反省反省。

 ビデオ周りはウチの同僚の十八番(オハコ)なので、任せっきりで全く問題無い。
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 そして怒濤のリハーサルが終わったら、それから客入れまでは最後の最後までイヤモニのアンテナの調整に追われる。今回の会場は、卓からステージに引っ張っているマルチケーブルの『送り』回線が足りない為、イヤモニの送信機をステージサイドに置けず、FOH側に置かなければならなかったのだ。しかし、リハを演ってみたら、やはり距離が有るためタマにノイズが乗ってしまうらしく調整が必要になった。どうやらゼンハイの G3&G4シリーズは SHUREの PSM 1000シリーズには遠く及ばない様だ。リハ後〜客入れの間、周波数を変えてみたり出力を変えてみたりアンテナ角度を変えてみたり色々試したが、中々 100%カンペキにはならない。うーむ距離的には全然イケると思うんだけどなぁ…。ダイバシティじゃ無いのかな?コレ…。確か以前確認した際、仕様的には本体のアンテナに加え、イヤフォンコード自体もアンテナとして使うダイバシティーって書いてあった記憶が有るんだけど。。。
 唯一ワタクシが個人的に感じたのは、現地業者が持ってきたアンテナケーブルが『長すぎる』のが原因だと思った。アンテナのケーブル内での損失って結構シビアなので、いくらブースターを取り付けていたとしても、ディバイダーから葉っぱまで 10mもあったらマズいと思うのだが、彼等はイツもコレを使っているらしくケーブルはコレしか持ってきてないらしい(困) 現地業者とアレコレ相談しつつ、結局(どうせケーブルに長さがあるなら…という事で)アンテナの葉っぱだけ2階席まで真上に引っ張る事にして対応。テストの為にステージ上をあちこち走り回った所、ダイブ良くなって殆ど全く途切れなくなったので最終的にコレで fixする事になった(っつーか、まぁ客入れ時間だったので時間切れなんだけどね)いやぁ…電波モノはホントに難しいわ。ケースバイケースだし場所や時間によっても全然違うからね。

 そんなこんなで開場時間。良い感じに大入り満員である。ありがたい!
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 アッという間に本番である。お客様は良い感じに盛り上がったので良かった。ワタクシは FOHにて資料用アーカイブビデオの収録を行いつつ、ステージサイドとの連絡窓口、兼、とにかく事故無く終了する事だけをヒタスラ祈り続ける担当である(笑)

 感動したのは、会場に入ったばかりの時にはあんなに『へっぽこ』だった音が、日本のプロのエンジニアさんの手にかかると、あの短時間でこんだけ『バキっ』と『ジャキっ』と上から下まで綺麗に抜ける『元気な』音で、何より歌が生き生きと聞こえる『音楽的な』音になった事に感動した。やっぱ長年やってるプロのエジニアさんって凄いね。ワタクシも見習わなきゃ。毎回学ぶ事が沢山有る。
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 手に汗握る 2時間弱を超え、無事に全演目終了。

 いやぁ…疲れた!マジで初めての会場は緊張するわ。。。前回の北京公演で使った会場も初めての場所だったのだが、北京会場はワタクシ自身が自分で視察していたので、ある程度は『当たり』をつけられたのだが、今回はスケジュールの関係で会場視察を同僚に任せっきりにしていたので、諸々細かい心配事が本当に沢山有ったのだ。
 …とは言え、蓋を開けてみればお客様は大盛り上がりで実に良いライブだった。本当に有り難い。
 来て下さったお客様、そして何より難しい状況で最大限のパフォーマンスを見せて下さった出演者の皆様、そして関係各位の皆様に心から感謝してやまない。
 本当にありがとうございました!

 同アーティストのアジアツアー中国公演のうち、弊社担当は残るは深圳公演のみ!気を抜かずに反省点は次に生かして(今回も反省点が沢山あったので)頑張ろうと思う。
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