中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

家が中々決まらない

 土曜日、広州は晴れ時々曇り、気温は 32度。今日は朝に霧雨が降っただけで、お昼からは一度も雨が降らなかった。とても良い天気である。

 朝 6時半に自然起床。休みだっつーのに身体が勝手に目覚め、そこから眠れなくなる不器用なワタクシ。
 何だか今日は無性に腹が減っていたので、顔も洗わずにマスクして一階のレストランに行って中華バイキングで小腹を満たす。

 食後はそのまま PCR検査を受けに、此処から歩いていける場所(先週発見した無料の検査会場)まで歩いた。広州では上海の様に 72Hでの強制的な検査は行われていないが、一週間に一度は受ける事が推奨されており、健康吗も同様に 1週間くらいすると警告メッセージみたいなのが表示されて、すぐに绿吗が表示されない風に変わるのだ。(黄色にはならないのだが、QRコードが表示されるまで1分くらい待たないと表示されない仕組みになっているらしい。なるほどね)

 先週末に結構近所で陽性患者が出たらしく、最近この辺も厳しくなってる様で、今日は結構並んでいた。

 先週はガラガラだったのに 10分ほど並んだかな?

 しかしまぁ…この新型肺炎との戦いは一体いつまで続くのやら。。。これひょっとしてエンドレス?じゃないの? せっかく厳しい上海から半ば逃げ出してきたというのに、どの土地に行っても結局同じ様に PCRに翻弄される日々である。スンゴい世の中になっちゃったよなぁ、ホント。

 ホテルの部屋に戻ってから、今日の予定を確認するべく、不動産屋に連絡したら、なななんと!今日観る予定だった家が二つとも借り手が見つかってしまったらしく、今日は見にいけなくなった…との事。ヲイヲイ勘弁してくれよぅ。もうホテル暮らしは飽きた(っつーかやっぱり不便)ので一日も早く家を決めたいのに。

 中国は 9月が新学期なので、今は大学生がこぞって広州にやってきて(この辺は大学が結構多い)すぐに家を決めてしまうらしい(泣)
 だったら、早めにそう言ってくれれば、何とか仕事の都合をつけて平日の昼にだって見に行くのに、この不動産屋の担当者はなかなかのヘッポコ具合で、何につけ動作が遅いのだ…。土日が勝負なんだぜ? 実際ワタクシは今月末にはこのホテルを出なきゃならないから、週末は来週の土日しか残ってないじゃんよぅ。ちゃんと理解してるのかねぇ。ホント困るわ〜。

 まぁボヤいても仕方ない。きっとこういう業者もウチの会社との関係性もあるだろうから、勝手に一人で家を探しに行く訳にも行かない。ゆえに彼を煽る事しかないので、煽りまくったのは言うまでもないw

 さて、そんな訳で今日一日の予定がマルっと開いたので、実はある意味ラッキーだったりしてw 週末はホントにやる事がテンコ盛りなのだよ。

 まずはメイン業務の日本語サンプルデータ収録から。

 今回は何と『関西弁』が必要になったのだが、ワタクシ関西弁なんて全く喋れないので、困った時の友達頼み!?である。 良い具合にバリバリ大阪弁の、元上海在住某キーボーディストが日本に居るので連絡して、色々電話でアドバイスを貰った。いやぁ…持つべきものは呑み友達ですな。

 久々に 30分くらい話をして声を聞いていたら、何故か無性にビールが飲みたくなったので、まだ午前中だけど失礼する事にw (このキーボーディストはビール大好きでビールばっかり飲んでた子なので、声を聞いてると条件反射的にビールが飲みたくなる…というw)

 そしてその後は集中して収録〜加工等をして映像憎み合わせ終わったのが既に午後 3時過ぎ。急に腹が減ってる事を思い出したので、ドミノピザからパスタを出前。

 それにしても今日はホントいい天気だ!これで気温がたった33度しか無いんだから実に素晴らしい。嗚呼…どこか外に遊びに行きたい無いぁ。

 すげー!広州でもちゃんと 30分以内に届いたよ(驚)


 味も中々悪くなかった。良いね良いね。ロックダウンみたいに街全体が止まってしまうと洒落にならんが、外卖(出前)や快递(宅配)さえ動いていれば、携帯一つで(ホテルの部屋に引き籠ったまま)食事から酒から電化製品からギターまで!? 何でも直ぐに手に入るから中国はホント便利である。

 そして夕方からは、例の某アニメOP/ED曲の手直しである。またこの一週間にカナリの量の反馈意见(修正意見のフィードバック)が来ていたのでそれの対応に追われる。

 此処はホテルゆえ、まだモニタースピーカー類を上海からこちらに送り付けてないから、結局ほぼ全てをヘッドフォンのみで作業しなければならいから無駄に疲れる。今や老眼鏡が必須なので、メガネをしたまま 5時間も 6時間も連続してヘッドフォンを被ってると耳の後ろ〜コメカミの辺りが徐々に痛くなって来るのだよ。ホント辛いわ〜。

 嫌だ嫌だトシはとりたくないねぇ。。。
 22時過ぎに、ど〜にも我慢できなくなったので、今日はココまで!


 そうそう!関係ないが、今日リリースされたモリシゲさんの新曲を観て、PVの中に昔ワタクシが彼のファーストアルバム制作の時にジャケ写用に撮ったボツ写真も幾つか使われていて、何だかチョット嬉しくて、とても懐かしくなった。アレを撮ったのはつい先日の様に感じるけど、2015年って事は、もう 7年も経ったんだね。時の流れの速さに卒倒しそうになるわ。
 歌詞も良く伝わるので、YouTubeですが興味ある方は是非聞いてみてください → https://www.youtube.com/watch?v=F23Y4XWBSi4

 いつも思うのだが、モリシゲさんの楽曲は、何というか日本の 70年代後半から 80年代前半の高度成長期に駆け抜けたフォークロック〜ニューミュージックの『あの躍動感』を、無意識に自然体のまま、結果的に今の中国の若者達に伝えている…という部分がホント凄いと思う。なにより『歌詞』に対するアプローチの仕方がとても良いと思うんだよね。
 『詩そのもの』が文学的で良い…という意味じゃなくて、『詩が伝わりやすいメロディアプローチ』…って言った方が正しいかな? この部分がとても上手いと思う。

 我々が若い頃、中島みゆきを聞いて歌詞に感情移入して無意識に涙したり、ユーミンを聞いておしゃれな大人にアコガれたりした『あの感覚』を、今の中国の若者たちは求めてる気がして仕方ないのだ。 『共感』と言葉にしてしまうと安っぽいが、我々が若い頃そうだった様に、何か音楽に『救い』を求めてる人は少なからず居るからね。

 確かに今の中国は我々が経験してきた日本の高度成長期とは時代背景も情勢も全く異なるが、中国は色々と自由に表現できなかったりする分『共感できる歌詞に飢えてる』気がするのだよマジで。そして、それには『聞いただけでスッと歌詞が入ってくる感覚?』がとても重要。(ま、中国の若者達はその辺は分からないケド、字幕を観ながらメロディの勢いは感じてくれている風に感じる)

 今回の新曲で一番最初に気になったのは、普段使わない様な新し目の単語が山ほど出てくる事である。ちょっと「おや?」と思ったが、時代時代のキーワードとなる単語が自然に歌詞に入ってしまうのは悪い事じゃないと(個人的には)思っている。何なら、昔の日本の歌には「テレホンカード」とか「カセット」とか「ダイヤル回して」とか今の若者にはサッパリ理解不能な単語が山ほど出てくるけど、逆にいうと我々はあの一言であの時代に直ぐにジャンプできる訳だしねw むしろそういうのはジャンジャン残して行くべきじゃない? それこそが『歌謡曲』の使命かも…なぁんて個人的には思う訳です、はい。

 さて、長くなったが、思えばこうしてアマチュアの楽曲を、フツーに『紹介しながら』リリース日に(それこそ地球の裏側に居たって)感想を自由に書いて、不特定多数の人に紹介できる時代、って凄いよね。。。誰だって『発信者』になれるんだぜ?こんな素晴らしい時代はない。
 もちろん『批判者』にもなれるし、そっちの方がラクだから皆そっちに行っちゃうケド、違うぜ!音楽家、芸術家にとってはこんなチャンスは無い。

 我々が若い頃、大勢の人に自分の作った曲を聴いてもらうためには、雑誌やらコンペやらに何十本も応募して、何ヶ月も待って、何百〜何千という数のデモを聴くのにうんざりしているディレクターさんに『やっと』聞いてもらえ、でも、頭の30秒だけ聴いて、そこでダメだしを食らっておしまい…。というのの繰り返しだったからね。理由すら聞かせてもらえなかった(苦笑) 不特定多数の耳に触れる機会なんて TVやラジオしかなかったし、かけてもらうにはまずレコード作らなきゃイケナイので、それこそ宝くじにあたるくらいの確率しか無かったんだから。。。今は誰だってリンク一つで紹介できちゃうんだからびっくりさ。

 じっとしてる場合じゃないぜ!ワカモノ諸君!!!
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