中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

考える葦

 日曜日、広州は快晴、気温はなんと 21度!なんとまぁ小春日和?な感じの一日だった。

 朝 7時半に自然起床。相変わらず目覚ましをかけていないのに勝手に目覚める不自由な身体。小学校低学年の頃はこの『12月25日の朝』がとても楽しみだったのだが、今や汚れたヲトナである。枕元にプレゼントが置いてあるハズもなく、単身赴任には広すぎるクイーンサイズのベッドのド真ん中で一人ぼっちで起き上がり、目の前に広がる『焦点の合わない空間』をぼーっと眺めるラブリー 55歳。 ♪ The Bed's too big without.... Without you~ ah♪ なんて歌っちゃったりw
 でも『丸一日予定がない』…というのも中々チョット素敵な気分である。

 とりあえず、妻にクリスマスプレゼント(红包)を送り、自分にも何かプレゼントを買っておけば良かったな…と少し後悔。ま、今年は後半になって、半ば不可抗力で予期せず(全く希望してないのに)Windows PCを 2台も買う羽目になってしまったから、このどちらかがクリスマスプレゼントでどちらかがお年玉…という事にしよう。
 給料の前借り?みたいで全然トキメかないが、人生なんて短いんだから、どうせ手に入れる事になるなら手元に来るのが 1秒でも早いほうが良いんだよ!きっと。…と自分に言い訳。

 朝から例によって色々と Newマシンの調整である。やっぱり Windowsは『ちょっと凝ったこと』をしようとすると一々躓くから本当に面倒である。 Macなら当たり前の様にできる事が出来ないのが多すぎる。ま、オペレーティングシステムが違うのだから(そもそも成り立ちが全然違うのだから)当たり前なんだけどね。 それにしても、ワザワザ自分でお金出してまで、使いにくい前時代的(失礼)な方向にシフトしてる自分にうんざりするわ。

 でもコレも運命なのだろう、きっと。。。

 昔から音楽家で Winを使ってる人が非常に少ないのも納得いくわ。完全な偏見だが、やっぱり Winは考え方が『理系』な気がする。まさに文字通り『コンピューター!』って感じ?(笑) リアルに(音楽制作環境も含めて)ワタクシが普段やってる『ぜんぶ』のタスクを Macから Winに乗り換えようとすると、ホント呆れるほどツラいのよね…。なにより諸悪の根源はオーディオを扱う OS標準ドライバが、あまりに『へっぽこ』な事である(怒)
 MMEは言うに及ばず WDMだってカナリのアフォで泣けてくる。レイテンシーが酷すぎて内部ルーティング等もマトモにできない。正直 ASIOドライバが無いと『全く使えない』と言っても過言ではない。

 もちろん音は出るよ!確かに。でもこんだけ遅れたら音楽的に使えないっつーの。「音は出るし、ナンなら音質だってカナリ良いから別にコレでいいじゃん!」という発想自体が、そもそも音楽的じゃないと思うのだよワタクシは。。。音楽なんて『タイミングが命』なんだからサ。
 その点 Macの Core Audioはホント優秀だと思う。基本的にOS標準のオーディオドライバだけで、ほぼ何だってできるものね。レイテンシーだって『ちゃんと』してる(許容範囲内)し。内部ルーティングだって自由度満点で、複数の I/Oを同時に鳴らしたりできるし、何なら器材毎に数msec.のディレイだって(OSの標準機能だけで)付ける事が可能だもの。 今まで当たり前に使ってた機能が、こんなに『見えない技術』に支えられていたんだな…と寧ろ感心しきり。

 勿論、Windowsのこういう不満を解消するために、ASIOというドライバ規格が誕生したんだろうし、そういう意味で ASIOはカナリ優秀だと思う。ほとんど『これ一択』だし、コレが有れば機能的にはほぼ満足なのだが、まぁ腹立たしい事にコレ『ハードウェアに依存』するのだよ。 つまり何かしらハード(オーディオインターフェース)を繋がないと ASIO経由で OSとのオーディオのやりとりが全くできないわけ。 この仕様、勘弁してほしいわ…ほんと困る!

 いやいや出張先で『軽く』確認したり、メモ程度にDAW立ち上げて軽く打ち込みしたり、ざっくり修正したり?がしたいだけなのに、一々毎回オーディオ I/Fなんて持ち歩かないっつーの! そもそも PCにオーディオ機能が付いてるんだから、内部で完結させたいワケですよ。(ただでさえクソ重たいPCなので、これ以上荷物を増やしたくないのだよ。ほんと切実な思い!)

 そんなワケで、Winの内蔵オーディオチップとしてほぼ世界標準!? 的な Realtek社の ASIOドライバが無いか探してみたのだが、どうやらオフィシャルには出してないらしい(困)
 しかし、世界は広いもので、ワタクシと似たような事を考えてる人が居て、他社製ドライバから当該部分を引っこ抜いた『闇バージョン』みたいなのを作ってネットにあちこちアップしてる人を見つけたが、そんなものおっかなくて使えないっつーの。一応『ASIO4ALL』という汎用ドライバを有志が作ってシェアウェアとして出してるみたいだが『動作保証はしません、タマに他社製ドライバとバッティングします』みたいな事が書いてあるから、おっかなくて仕事じゃ使えないっつーの(他社のドライバは絶対入れるしね)

 はふーん。八方ふさがり。

 そんなこんなでアッという間に午後 2時過ぎである。とりあえず出前したチャーハンも届いた事だし、一旦頭を冷やすべく黙々と食事。

 ふとテーブルの端に目をやったら、昨日届いた未開封の宅配が目に入った。「なぁんだ、ちゃんとプレゼント有ったじゃん!」と、日本語で呟きながらチョットだけウキウキしつつ開封してみたら…ゲームパッドだった(涙) ま、コレも仕事で使うのだが、見た目があまりにヲタクっぽい!? 自分へのクリスマスプレゼントだったので、思わず失笑しちゃったよ。55歳だぜ?何ならあと数か月で 56歳だぜ?

 食事しながらも頭はNewPCのセッティングの事でいっぱいである。「まぁ、外で DAWは動かさない!と割り切るか?」と半分諦めかけたが「こんだけ速いCPUで、しかも鉄アレイみたいに物理的にクソ重い機材を持ち歩いてるのに、仕事で『しか』使えない偏屈なマシンなのか…コレ」と考えたら悲しくなってきたw あはは。

 いっその事『バスパワーで動く超小型で軽いオーディオインターフェースを買った方が色々シアワセになれるかもなぁ』という気になってきて、食後はネット捜索員と化す。

 実はもう一点、現状では打破できない問題があるのだ。

 今回この PCを買った一番の目的は、出張先や隔離先で、いま会社で担当している某 PJの『デバッグ』と『諸々実装確認&フィードバック出し』ができる事!なワケさ。その為に、わざわざこーんなクソ重たい、デスクトップ並みの処理能力が有る(Core i9+ RTX3070ti)マシンを持ち歩く決断をしたワケだが、今や我々の業界のサウンド担当としては、とにかく『ラウドネスレベル』との戦いで、何をするにもリアルなレベルメーター監視が必須だったりするのよね。

 もちろん DAWならプラグインで一発なのだが、統合開発環境だと音声メーターなんか付いてないから、別に監視ソフトを立ち上げなければならないワケ。でもレベル監視をするにはループバックさせなきゃイケナイじゃん? で、いろいろとトライしてみたのだが、これがまぁ不器用なシステムで、オリジナルのドライバだとスピーカーアウトはループバックできるクセにヘッドフォンアウトはループバックできない…という仕様らしい。
 なので色々と調べて内部でルーティングできるミキサーソフトを探してインストールしてみたのだが、コレがもう MMEや WDMだとレイテンシーが酷くて全く使い物にならないのだ。アクションゲームなのに 0.3秒~ 0.5秒も音が遅れるワケ。つまりボタンを押して、ちょっと間があってから「どーん!」って言うのだ。アフォか!っつーの。まーったくホント腹立たしい。

 てなワケで、やはり『ASIOドライバが使えて』『ループバックにも対応している』『とにかく小型軽量の!』オーディオインターフェイスを新規購入するしか無さそうなのよね。(ウチの RMEは電源アダプターを含めると重さが 1.3kgくらいあるし、チョット(かなり)高価なので一々毎回出張のたびに取り外して持ち歩きたくないのだよ。壊したらシャレにならんからね)

 斯く斯くしかじか、夜中の1時過ぎまでネット調査員。
 今日はずーっと考え事をしていた気がする。吾輩は考える葦である。名前はまだない。
 そんなパッとしない 2022年クリスマスだとさ。あらあらかしこ。
にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村