中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

Google 中国検索サービス撤退

Google 中国検索サービス撤退
http://www.cnn.co.jp/business/CNN201003230002.html

 このニュースに関しては、既に多くの人が語ってるが、大陸に住んでいる我々からすると「やっぱりね…」というのが正直な感想かな。

 皆、頭っから中国のやり方を否定してるけど、実際問題やっぱり無理だと思う。例え小さな穴だとしても、一つ穴を空けると14億人がそこを通ろうとするからね。絶対今までの統制が破綻すると思う。
 まぁ既に一部では破綻しかかってるので、時間の問題なのかもしれないが、それでも中国の GFW(Great Fire Wall)は彼らにとって最後の砦だし、故に名目上は鉄壁じゃなければイケナイのだ。

 いわゆる都市部に関して言えばある程度情報が入ってくる様になってきたが、中国の全人口に比べると都市部の人間なんて一握りである。多くの人々が農村部に住んでいるのは紛れもない事実なワケで、私は幸か不幸か実際に農村部(それでもまだ豊かな方らしい)に何度も足を運んで何週間も滞在して自分の目で見たから良く知っているが、そこは本当に鎖国に近い状態で、外からの情報というのは完全に操作されたTVとラジオしかない。
 つまりそれを見聞きして育って来た農村部の人たちが完全に洗脳されてしまうのは自明で、今でも、ニュースを見れば『中国は犯罪も少なく、世界で最も優れた豊かな国』とホンキで信じているし(悪いニュースは一切報道しないのだ)、ドラマを見れば『日本人は大量虐殺をした絶対に許せない敵』と心の底から憎んでいる(反日ドラマを何度も何度もTVの全国放送で繰り返す)。

 何れにせよ、例えば自分の置かれてる立場が恵まれた環境であると信じて40年間生きて来た人が、突然インターネットで世界の情勢(本当の21世紀のリアルな事実)が入ってしまったらどうだろう? 今までの人生ずっと全部『騙され続けて来た』事を知ってしまったら? 生まれた時点で絶対的な不公平を強いられている…という事を知ってしまったら? …と考えると怖くなる。
 しかも、全人口の7割近くを、そんな人が占めているとしたら。。。

 もうこの国は既に後戻りできないポイントまで来てしまっているのだ。故に必死に守るしかないんだろうな。いつか壊れる砂の城を。

注)上記は、あくまで個人的経験に基づく個人的感想です。別に中国側の肩を持つ気は毛頭ありませんし、google の撤退は非常に残念に思っていますよ。モチロン。。。