中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

YESTERDAY PUB Live vol.4

 今日は『YESTERDAY PUB』での毎月恒例のライブショーが開催された。今回で早くも4回目である。毎回工夫をこらしながら色々トライしてるのだが中々自分の理想には近付かない。でも少しずつ良くなっている実感はある。ナニゴトも一歩一歩だ。

 今回の施策は、プチ店内改装である。店の奥のライブスペースにしている部分の手前に、今までは厚さ10cmくらいで畳1.5枚くらい分の『間仕切り』の様な板があったのだが、コレがあるとライブの際にお客さんからシモテに居る演奏者が良く見えないので、今回友達に頼んで、この仕切りを取っ払ってもらったのだ。

 この板を外すに当たって店長やアルバイトの子達と色々と相談したのだが、実はココに板が一枚ある事によって、奥にある2席が『隠れ家?』というか『個室?』っぽい雰囲気を出していたらしく、特に日本人のお客さんは好んで奥に引っ込みたがるらしいのだ。

 いやぁ…ワタクシも一応日本人なので、気持ちは良〜く判るんだな。日本人というのは非常に面白い生き物かもしれない。別にコソコソしたいワケじゃないのだが、プライベートスペースを大事にするというか、人に迷惑をかけない様にしよう…という無意識さから来るのか、「ウチ」と「ソト」を意識的に分けて、自分たちの空間みたいなものを大事にする傾向が強い気がする。

 まぁでも、とにかく色々チャレンジしてみる事は大切なので、たかが板一枚だし、もしダメなら戻せば言いだけなので今回は外してみる事にした。
 ライブは写真の通りで、非常に開放的になって良い感じになったと思う。
 普段の(ライブを演っていない時の)お客さんの反応結果を語るにはまだ時期尚早だが、今の所それほど悪く無い。…というより寧ろ好意的に受け入れられている様だ。(ま、変化を楽しんでいる、という部分の方が大きいかな)


 さて、前置きが長くなった。ライブのハナシである。本日もJazz Nightと冠して友人のバンド『Fantosong』に出演してもらった。
 今回の演奏も非常に良かった。録音しなかったのが残念だが、明らかにどんどん良くなっていると思う。

 このバンドは毎週金曜日に『温故知新』にも出演しているのだが、何故か温故知新で演るよりもココで演ってる方が良い演奏をしてくれる気がする。別に贔屓目に判断してるのではなく、実際に演奏がホットだし、演奏者同士のカケヒキが良い意味で緊張感があり、しかもメンバー間でちゃんと気持ちがリンクしてる風に見えるのでスリリングで非常に楽しい。

 PAは私がやっているのだが、私も一応演奏者の端くれなので演奏者が演奏しやすい様に気を遣っているつもりではあるし、勝手知ったる自分の機材達なのでコントロールしやすいから、有り難い事にプレイヤーからは『演りやすい』とも言ってもらえてるのだが、どうもそれだけでは無い気がしてきた。

 ひょっとすると、一般的なライブハウスではありえないこの『狭さ』が、プレイヤー同士の距離感を狭めて良いヴァイブになってるのかな?…なんて思う訳である。この狭さに生ドラムである。いやがおうにも音は丸聴こえなのでフレーズは丸裸?な状態だ。これってある意味偶然の産物?なのかなぁ(笑)

 ファーストステージから熱い演奏が繰り広げられる。

 セカンドはゲストトランぺッターとしてW部さんが加わる

 今日はセカンドセットから試しにスネアにもマイクを立ててみた。バラードのブラシワークに少しだけリバーブをかけたかったのだ。やってみたら我ながら滅茶苦茶良い効果があって超嬉しくなった。次回も是非立てようと思う。
 狭いし音量出せないからといって全部生音で演る必要は無い訳で、PAから『生音に足りない』エフェクト成分だけを混ぜて生音と重ねる様にすると、聴いている方はパッケージとして『しっくり』来るので凄く心地良くなる事を再認識した。(ミックスは大変だけどね)

 今日は北米から古い友人が遊びに来てくれていて、彼も音楽を演るのだが、開口一番「ココ音が良いですね!」と言ってくれた事が印象的だったし何より嬉しかった。いやぁ…自己満かもしれないが、やっぱり判る人には判るのだ(笑)