中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

今年最後の大きな現場

 水曜日、上海は雨。気温は16度で最近結構暖かい日が続いている。昨夜チョット飲みすぎた( 4人で Old Parrを 1本空けてしまったのだ)ので、二日酔いになるかな?なんて心配していたのだが、朝は意外とスッキリ目覚めて体調も悪くない。自分の身体がどーなってるのかサッパリわからん。
 年末になって色々とリテイク案件が重なって激しく忙しくなっているのだが、今日はプライベートで頼まれている二胡奏者『赵磊』さんのライブ PAエンジニアである。彼の『お抱えPAエンジニア』として一緒に仕事させてもらえるのはとても嬉しい。場所は外滩にあるペニンシュラホテル上海(半岛酒店)

 照明が LEDだと何もかもが紫色になるから困りものだ。ホワイトバランスが取れないっつーの。
 そして本日の私の現場はこんな感じ。メインの卓は CL3だが、例によって自前の XR18を挟んで全ての EQをココで作ってからパラで 5ch(L,R,Monitor1,Monitor2,SUB)をメイン卓に送る。


 いやぁ…このホールは音作りが大変だった…。なにせ響きまくるのだ。壁自体がカナリ響く材質である事に加え、横幅が非常に広い割に天井がそれほど高くなく、LとRのメインのラインアレイが、部屋の長辺の各コーナーの端っこに置いてある(吊ってあるのではなくスタックしている)ので、低音が溜まりまくって超絶苦労した。しかも流石に左右が離れすぎてるからか、一応インフィルが置いてあるのだが、このインフィルのバランスが悪くて(かなりデカくて)閉口した。ステージ上に居ると転がしよりもインフィルが回るのでハウるハウる。何これイジメ?(苦笑)
 っつーかコッチの業者さんは、なんでこの音で満足しちゃうんだろうか…実に不思議である。ラインアレイってドンシャリになりがちなので、ちゃんと作らないと置く場所によっては結構酷い音になっちゃうんだけどなぁ。吊る場合は左右と後ろに十分な空間があるからキッチリ鳴るけど、壁の近くにスタックする場合は気を付けたほうが良いと思うのだ。でも、彼らはあまり気にしないらしい。まぁトークがメインのイベントなのでコレで良いのかもね。…とは言えワタクシは自分らしい仕事をヒタスラ行うのみ。とりあえず危ないポイントは全部 GEQで取って、つまらない音になってしまったカラオケはチャンネルストリップのEQでしっかり中音を上げて音楽的な音になる様に作り込んでみた。
 そして迎えた本番。左右の巨大ディスプレイが良い感じだが、何故にこんなに真っ赤っか??? 相変わらず不思議な照明センスである。

 しかしサスガ赵磊さん。演奏は素晴らしかった。

 今回我々はオープニングアクトだけなので、終了後は直ぐに自分の持ち込み荷物だけ片付けてサクッと現場を去る。うーん実に素敵っす。機材を完全に切り分けてるからこそ出来る技ですな。XR18はやっぱり便利
 外に出たら雨が降っていて、タクシーが全然捕まらなかったのでペニンシュラホテルのロータリーの電飾をば。世の中クリスマスらしい。

 これでワタクシの年内の大きな会場でのイベントは全て終了。いやぁ…振り返ると今年はPA仕事も結構やったな。色々と失敗もあったけど楽しかった。やっぱり好きなんだなぁ…なんて実感しちゃったりして。
 さて、あとは作曲関連のリテイクと、某ゲームの譜面作りで年内は翻弄されそうだ。一時帰国もあるし、息切れしない様に頑張ろう!
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