中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

MacBook Pro (15-inch,2018)のキーボードを自分で修理してみた

 月曜日、上海は曇り、気温は 11度。相変わらず寒い日が続いている。

 新型肺炎の影響で動きを止めていた上海市だが、本日(3/2)から通常出社の会社が非常に多い様で、通勤時間帯はカナリのヒトが出ていた。上海市内の多くの建物では『随申办』というアプリで表示される『随申吗』という QRコードが無いと入館させて貰えない風になってきた。ところがコレに登録するには中国人の身份证号码(身分証明書番号)の登録が必須で、現時点では外国人の登録は出来ないらしく、ワタクシは登録できなかった。他社アプリでは出来る?という噂も有るのでトライしてみようと思う。

 さて、先日の日記にも書いたが、ワタクシの MacBook Proのキーボード不具合(1回押すと2回入力されるチャタリング)不具合が日に日に酷くなってきて、今日の会議では『O』のキーがほぼ 100%二度打ちされる様になってしまって効率が悪くて仕方なかった。ワタクシは会議中リアルタイムにメモを取るので、ミスタイプによる後戻りは、議題の波に乗り遅れる為、集中できないし非常にイライラするのだ。自席ならまだしも、会議室のテーブルは限られてるのでサブキーボードは持ち込めないしね。

 そんなワケで帰宅後に思い切って自分で修理する事にした。今はアップルストアで無償で交換修理してくれるのだが、これは JPキーボードなので中国では修理できないのと、仮に次の一時帰国時に対応するにしても、やはり機密事項満載のこのマシンを数日間ヒトに預ける事に一抹の不安があるからである。(なにより時期的に『それまで待てない』という切羽詰まった状況…というのが一番大きな理由だな)

 この悪評高き!? 新型バタフライキーボードに関しては特許が出ているらしくネット上に三面図が有った(権利の関係でココに転載はできないが)ので、それを参照しながら、まずは上側に細めの精密ドライバ 2本を突っ込んで上側のトメを外す。そして薄い刃の様なモノ(ワタクシは彫刻刀を使った)で力を入れずにパチっと両方外すと上側が浮き上がる。
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 注意しなければイケナイのは上側は『トメ』だが、下側は『ガイドレール』になってて『コの字』なので、必ず上側から外さなければイケナイ。下側が折れたら二度と元通りにはならないので注意!(下の写真で言う所のひっくり返ったキーの右側が上側となる。上側をパチっと外して上方向にスライドして引き上げる感じ)
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 まずはカメラ用のブロワーでホコリを吹き飛ばしてみたのだが。。。。
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 先っぽで黒い部分を押してみても、やはりチャタリングが発生して2度入力されてしまう(涙)そんな簡単な問題じゃ無いらしい。
 そんなワケで「え〜い!壊れるカモしれんがイチかバチかだ!」と、例の三面図を見ながら内側の凸部分を外せないか良く見て研究する。バックライトが有るので寧ろ老眼には好都合(笑)
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 どうも透明のゴム(プラ?)部品が両面テープで貼られている様に見える。しかもコレが外側のバタフライアームの支点を兼ねてる様に見える。なので、この内側の部分『のみ』を剥がすべく、一番細い彫刻刀を入れてみた(後で気付いたが多分カッターナイフの方が良いと思う)
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 カナリ強力な粘着テープの様で最初は結構力が要るが、焦らずユックリ上げていくと隙間ができた。
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 下の基板を傷つけない様に刃を捻りながら上げたら綺麗に外れたじゃないか!おおお!
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 上側半分が黒くなっていたので LEDのケーブル等があったらイヤだから慎重にピンセットで上げてみたら、これは単にLEDの直接光を拡散させるためのカバーに過ぎなかった。
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 やっとスイッチの中身が見えた。こうやって見るだけでも結構ホコリ(白っぽい粉の様なモノ)が入ってる事が判る。
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 さて、どうやって掃除しようか?…とちょっと考えてみたら、今はこの新型肺炎の件で、家に山ほどアルコールがあるじゃないか(笑)
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 まずは綿棒にアルコールをしみこませて接点部分を念入りに拭いてみた。
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 そして両面テープの粘着力が落ちない様に、エアブロワーで十分に表面のアルコールを乾かす。裏側の接点も念入りに拭いた後。ちょっとだけ考えて、別の綿棒に CRC5-56的なオイルスプレーをほんの少しだけ吹いて、その綿棒で接点のアタマだけを『チョンチョン』って感じで油を乗せた。コレは機械スイッチの接点を復活させる意味合いであるが、絶対に注意しなきゃイケナイのは油は両面テープと相性が悪い(粘着力が落ちる)ので、絶対に両面テープが触れる場所には油を付けてはイケナイ…という点だな。
 そして方向を間違えない様に、来た道を戻る様に元に戻す。

 どうやらこの上側の凸アルミ部分を支える透明のプラスティック部品の裏に両面テープが貼られていて、コレで例のバタフライアームとスイッチ本体の両方を支える様に下側のメイン基板にくっついているらしい。
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 特にバタフライ機構の支点となる部分は、センターがズレたらちゃんと動かなくなるだろうからチョット心配していたのだが、4隅に黒い点があるのでコレが綺麗にガイドとなり意外と簡単に戻った。
 寧ろ面倒なのは、この2018年モデルから改良された?と言われるホコリ侵入防止用の『半透明の幕』である。コレがあるので、一旦この幕をめくって潜り込ませる様に入れないと上手く元には戻らない。

 そんなこんなで無事に『O』のキーが治った。いやぁ…良かった。折角なので『O』の次に調子が悪い『I』のキーも掃除しておいた。その後暫くタイプしているが、全く問題が無い新品同様になったので超嬉しい。我ながらステキ!完璧だ!
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 ただ、分解してみて一点だけ言えるのは、このキーボードは『そもそも修理を前提として作られていない』無茶な作りのキーボード…という事だな。薄さとタイピングを追求するあまり、色々な点が犠牲になってるのが判った。もし自分で修理を考えてる方は、結構細かい作業になるので、腕に自信があって、且つ『壊れても自己責任!』と割り切れる方以外は、修理はオススメしない。何なら今は Appleが無償交換してくれるので、それに出した方が良い(実はキーボードは直下のバッテリーとべったり接着されているので、バッテリーごと交換してくれるらしい。ま、リコールみたいなもんだな)

 それでもワタクシの様に切羽詰まった方は自己責任で!コレをみながら修理して壊れてもワタクシは一切責任を持ちませんヨ。あしからずw
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