中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

生命保険とか戸籍謄本とか保証人とか

 中々決まらなかったワタクシの手術日に関して、本日ようやく病院から連絡があった。精密検査の結果は『現時点では他の部位への転移は見られない』との事で、このまま予定通り摘出手術を行う事ができる旨の連絡だった。とりあえず一安心だが、タイミング悪くお盆を挟んでしまう為、手術日は結局月末に近い日取りになってしまった。つまり、それは『このまま悶々とした日々が暫く続く』事を意味する。あ〜あ。
 最近思うのは、自分が癌(あるいはそれに準ずる病気)の宣告を受けた人の心の動き…というはドラマや映画で良くあるシチュエーションではあるが、実際に自分に降りかかってみると驚くほどネガティブな感覚が襲ってきて自分でも驚いている。一歩下がって俯瞰してみると別に良くあるハナシだし、ワタクシの場合は手術するだけで治る確率が非常に高いので、気楽に考えれば大した事は無いのだが、意外と当事者にはコタえるモンなんだよね。いやぁ…実際体験してみないと分からないモノですな。

 本日は入院に伴う資料集めの一日だった。まずはワタクシが入っている生命保険会社に電話して、ワタクシが罹患している GISTという病気で『がん保険』が適応されるか電話で訊いてみた。
 結構長い間色々とハナシをしたが、最終的な結論としては、GISTの定義(一般的に胃や小腸などの消化管の壁にできる、転移・再発を起こす悪性腫瘍の一種)が、非常にレアなケースゆえ先方のハンドブックに載っていないらしく微妙なので、手術後にお医者さんが作った診断書の内容によって審査されるらしい。がん保険は『悪性新生物』である事が条件で、且つ手術の方法(専門的な医学用語じゃなきゃダメらしい)を明記した診断書が必要との事。中々難しい。。。その後ネット等で調べてみたら、GIST患者のウチ7割くらいは貰えている様だが、やはり 100%では無い様だ。

 午後深くなってからは戸籍謄本を取りに中野区役所へ。入院するのに戸籍謄本も必要らしい。今日も良い天気だ。

 普段なら直ぐに書類が出てくるのに今日は何故か 40分も待たされた。

 どうやらワタクシが身分証明書として提出した運転免許証に記載されている住所に、ワタクシの住民票が無いため(海外居住者のため抜いているから当たり前だ)それゆえ何らかの不正?ではないか確認するのに時間がかかったらしい。(途中で窓口に呼ばれてようやく分かった)何だかねぇ…。ま、厳しくして下さるのは良い事だが海外居住者は一々例外事項とされるので面倒くさい。

 その後は一旦新宿に出て山手線で大崎に向かう。午後5時を回っていたので新宿は徐々に混み始めていた。

 そして大崎駅にて友達と待ち合わせ。実は入院するのに保証人が2人も必要で、一人は身内で良いのだが、一人は家計が別である事が条件だったので、無理言って友達に頼む事にしたのだ。いやぁ…友達や親戚が居ない人は入院できないなんて世の中間違ってない?身寄りの無い老人とかどうするんだろ。。。

 友達を待っている間『大崎ってスゴく変わったなぁ…』なんて感慨に耽りつつ線路を眺めていたら新幹線の過密ダイヤっぷりにびっくり。3分に一本くらいの割合で走っていた。あんなに高速な鉄道がこんなに過密で大丈夫なのだろうか?日本の技術ってスゴい。

 「保証人なんて絶対になっちゃダメだよ!」とずっと教わってきた世代だし、自分だって『よっぽど』の事が無いとヒトの保証人になんかならないので、友達に頼むときとても心苦しかったし言いにくかったが、日本を離れて10年以上経っていて友達とも疎遠になって来ているし、こんな事を頼める友達なんて1人くらいしか思い浮かばないので、半ば腐れ縁!?のその友達に無理を承知で話してみたのだが、本当に驚くほど快く応じてくれて一瞬泣きそうになった。いやぁ…友達って有り難いね。
 どうせ折角会うなら…という事で、友達の仕事が終わるのを待ってから大崎で食事する事にした。とてもステキな店だった。しかも驚く程『何もかもが』美味しかった。

 色々なハナシをして少し癒やされた。まだ手術前ゆえ特に痛みがあるワケでもないし体調だってそれほど悪くは無いのだが、ずっと家に閉じこもって居るとネガティブな事ばかり考えて気分から先に病んでしまいそうになるので、とても良い機会だった。タマにこうやって外の空気を吸わなきゃね。


 あ、そうそう。そりゃそうとハナシは違うが、今日イキナリ元の介入があったらしく、円が上がって驚いた。これから手術で日本円が必要な時にコレだもんなぁ…参っちゃうぜぃ。

 暫くはレートの動きから暫く目が離せなさそうだ。