中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

病理検査の結果

 金曜日、日本の関東地方は快晴。気温も涼しくて清々しい。
 さて、本日は術後の最初の検査&検診である。先般の手術で摘出した腫瘍の病理検査を聞くために、お世話になっている『がん研・有明病院』に向かう。

 久々に来た病院。気分的には懐かしい様な思い出したく無い様な?不思議な感覚だが、入院時はホントに良くして下さったのでココのスタッフには感謝しか無い。

 そして血液検査やレントゲン等、一通りの検査をして、検査結果を待ってから受診。

 先般摘出した腫瘍の病理検査の結果は…。

 残念ながら『クロ』だった(涙) 取り出した腫瘍は GISTであると断定。つまり『悪性』だったワケだ。うーむ。これから先の人生、何らかの形で癌と付き合って行かなきゃイケナイのかぁ…。ある程度覚悟はしていたがサスガにちょっと凹む。
 問題なのは、取り出した腫瘍を包んでいた外皮に一部穴が空いていて腹膜に接していた…という部分らしい。腹膜に転移するとかなり厄介で『腹膜播種』と呼ぶらしいのだが、癌がココに転移するとカナリ大変らしい。
 (勿論、現時点ではどこにも転移して無い(検査で分かる様な癌は一つも無い)ので、今後の懸案事項…という事だが)

 腹膜というと、個人的に想像していたのは、お腹の皮の下で内蔵全体を包んでいる一枚の膜みたいなモノだと思っていたのだが、どうやら違うらしく、簡単に言うとお腹の中のそれぞれの臓器を包んでいる緩衝剤みたいな物らしい。コレは大きな袋状で中には水みたいな物が入っていて繋がっていて広げると結構大きいものの様だ。
 乱暴に例えると、スーツケースに入れた複数の物(内臓)が動かない様に大きな水風船みたいな物で包んでいる状態なのかもしれない(個人的な勝手なイメージだけど)
 つまり、この腹膜にがん細胞が転移すると、パッと種を蒔いた様な小さい癌が、腹膜の中に沢山できる様な状態になるらしく、しかも腹膜自体は直接的に血液と触れないので抗がん剤が効かないらしい(ゆえに血液検査の腫瘍マーカーでも現れない)また、これは各内臓と接しているので、腹膜に接しているどこに臓器に転移してもおかしくない…という厄介な物だそうな。しかも腹膜播種は小さいウチは CTにも映らないから、今も既にあるかも知れないんだよなぁ。

 では、どう予防したら良いのか? というと、どうも予防のしようが無いらしい。なぜならワタクシの GISTの根本的な原因が分からない(遺伝子等の先天的なものなのか、生活習慣等による後天的なものなのかも全く分からない)からだ。 こーんな発達した 21世紀になっても癌の根本原因って解明されていないんだよね。何だか不思議だ。
 従って、今後の治療方針として一つ言えるのは、今、既に転移している事を想定して抗がん剤の様に癌の成長を止めて小さくする『分子標的治療』というものを行うか否か…という部分になるらしいが、コレをやると副作用も出るし、やっても 100%防げるモノではないらしい。(ヒトによって効果があったり無かったりする様だ)
 また、分子標的治療は内科の分野らしく、昨日の主治医(外科の先生)では何とも言えない…との事で、来週また通院して内科の先生と相談する事になってしまった。

 あ〜あ。
 これから分子標的治療をやるにせよやらないにせよ、今後10年間は最低でも 4〜6ヶ月に一度 CTを受けて、ひたすら転移していないか経過を観察するしか無い様だ。これじゃまるで病人みたいじゃないか。。。(せっかく元気になったのに)

 病院を出たらすっかり夕暮れだったが、雲も何だかワタクシの心を読んだ様な形だった。

 その後は、もとK社時代の友達と六本木で会う約束をしていたので、六本木に向かってお食事。
 こんな風だったので中々気分を切り替えるのが難しかったが、作曲家&トランペッターの小野さんの懐かしい笑顔を見たら暗い気持ちはイッキに吹っ飛んでしまった(笑)
 神戸時代の大御所 M山さんも加わり 3人で一緒にカレーラーメン?なるものを食べつつ昔話に花を咲かせ、色々とアジアの話なんかで盛り上がった。友達ってありがたい。

 帰りの電車の中で、つり革に捕まりつつガラス窓に映った自分のナサケナイ顔を見つめていたら、フト1つの結論みたいなモノが見えてきた。どんなヒトでもいつかは癌になる可能性があるワケだし、逆に言うと今は半年に一回確実に検査が受けられる状況が出来たので、それは寧ろ普通の生活しているヒトに比べたら早期発見に繋がるから良い事じゃないか。それに、もし今回の GISTが見つからない状態で放置していたら、それこそ腹膜播種が発生して気付いた時には全身に転移して手が付けられない様な状態に陥っていた可能性だって有る。そう考えると今回の件はとてもラッキーだったと言えなくも無い。
 何れにせよ、手術は大成功で今は限りなく健康体に近いのは事実なので、コレを感謝しつつ前向きに行こうと思う。元気に動けるウチに、やりたい事やらなきゃね(笑)
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