中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

真っ白なカレンダー

 水曜日、上海は晴れのち曇りのち小雨。気温は午前中 12度。夜には 6度まで落ち込む。

 例の肺炎騒ぎのせいで、上海の街が機能不全に陥ってから既に 2週間以上が経つ。 あれ? それでもまだ 2週間強なんだね。 何だかとてつもなく長い間この騒ぎに振り回されている気分になっていたが、大騒ぎになり始めてからまだ 3週間経っていない…という事にイマサラ気付いた。
 モチロン、実際はもっとずっと前から騒ぎは発生していたのだろうが、中国全土で爆発的に危機感が広がってからは、まだ 3週間も経っていないのだ。日付の感覚が段々麻痺して来ているので注意しなきゃ。忙しい時は時間の進み方はとても早く感じるが、暇だと時間は長く感じるのかもしれない。

 ここ数週間でワタクシ自身『自分は退屈に弱い生き物なんだな』と自覚する様になった。『やらなきゃイケナイ事』とか『やった方が良い事』は幾らでも有るのだが、先が見えないと気合いが入らないしヤル気が出ないから困りもの。 ワタクシ、納期や締め切りが有ってはじめて仕事をするタイプなのかもしれない。目標期日から逆算して自分の速度を決めていたんだなぁ…。

 普段の月なら書き込みで真っ黒なカレンダーが、冗談みたいに真っ白で呆然とする毎日。
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 うーむ…ここ 10年くらいで、これほどまでに全く『何も決まらない』月は無い。いや大袈裟じゃ無く、これワタクシの人生に於いて『初めて』かもしれない。

 我々エンタメ業界は何か危機的事案が発生した場合は、仕事が通常運転に戻るのが『一番最後』なのだ。何せ音楽なんて贅沢品で『無くても生きていける』モノだからね。そりゃ人々は衣食住からしっかり守っておカネを使うのが当然である。
 しかも仮に収束に向かったとしても、モラルの問題が発生して「こんな危機的状況に人が大勢集まる音楽会なんてケシカラン!」…と言われてしまうので、まぁ早くても GW空け、遅ければ夏くらいまで中国国内でのイベントはかなり自粛を余儀なくされるだろう。あ〜あ、参ったなぁ。

 そりゃそうと、お昼に、暇つぶしに Facebookを眺めていたら、約 25年位前に勤務していた某社の知人(ワタクシと同い年)の訃報を知って驚いた。いや驚いたなんてモンじゃない。何と言うか、不意打ちのパンチを喰らった様な、一瞬呼吸が止まってしまう程の衝撃を受けた。

 彼はイツ会っても誰よりも元気で明るく、誰よりも精力的に活動していたのだ。今や日本人では知らない人は居ないであろう某超著名企業の企業戦士としてバリバリ働いていたのだが、お客様へのプレゼンに向かう途中の地下通路で倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったらしい。死因は心筋梗塞だそうな。きっと目に見えない疲労が溜まっていたのだろう。でも想像できないんだよホントに。世の中不公平だ。

 自分の人生は、自分が主役で(自分目線で)生きてるから、自分の人生の終わりは、病気にせよ事故にせよ『きっと何らかの【前兆】が有るだろう』と、ある程度予想しながら生きてるつもりでいるが、不可抗力じゃないけど突然の『何か』で逝ってしまう事は大いに有り得るワケだよね。 そう考えると、やっぱり常に何処かで死を意識しながら今を『ちゃんと』しなきゃイケナイ。自分がやりたい事をやりたい様にシッカリと。

 彼の為に今日は久々に赤ワイン。「おまえ、こんな状況だからって腐ってちゃダメだぞ!」と空の上から言ってくれてるのかもしれない。献杯!
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