中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

経済活動は

 木曜日、上海は雨、気温は丸一日 7度。タダでさえ閉塞感が有る日常なのに、雨が降るともっと憂鬱になるからイカン。

 例の肺炎騒ぎのせいで街は相変わらずの無人状態が続いている。
f:id:hayap24bit:20200207152908j:plain
 あまりに誰も居ないので『Singing in the rain』なんか歌いながらガーデンホテルのジムに向かおうと思ったのだが、歌詞を全く知らない事を思い出して、急遽口笛に変えて、できるだけ楽しげに吹いてみた。 しかし約 10秒後に、突然の沈黙が訪れる。。。実はワタクシ、この曲は歌い出しの部分しか覚えてないじゃん(呆) あ〜あ。何をやっても上手くいきそうに無い日だ。

 雨が降っていたので今日は mobikeでは無く、歩いてジムまで向かったのだが、それでもすれ違ったヒトは数えるほどしか居なかった。しかも皆マスクをして申し合わせた様に暗い目をして横切っていく。そうなのだ。みんなこの自宅軟禁に『疲れ』が出始めてるのだ。先月までのあの明るい『迷惑かけてもお互い様』的な『お気楽ゴクラク』感は皆無に等しい。お店や友人同士の会話ですら、今までみたいな「これ喧嘩してるの?」と思える程の大声はどこからも聞こえない。マスク越しにモゴモゴ喋ってるだけ。何だろこの違和感。。。
 「ちがう!こんなのヲレが知ってる中国じゃ無い!」と誰かの肩を揺すって訴えかけたいが、分別あるヲトナなのでモチロンそんな事はしない。唯々こうして、際限なく下らない冗談がアタマに浮かんでは消えていくのをクールに眺めているだけ。

 シンプルに言うと『暇』なのだ。とっても。

 ガーデンホテルに到着してみたら、ジムに向かうエレベーターの横に、今の雰囲気に全くそぐわないハートマークを見つけた。
f:id:hayap24bit:20200207160319j:plain
 そっか。普段なら 2月はバレンタイン商戦で盛り上がってる時期か。
f:id:hayap24bit:20200207160802j:plain
 どうやら、ホテル自体のお客様が恐ろしく減っているらしく、ここ数日ロビーのソファーにお客さんが座ってるのを見たことが無い。フロントにも最近は一人しかスタッフが立ってないし…。ココは日本人のオアシス?というか、いつでも出張者で賑わってるイメージが有るので、こういう部分からも騒ぎの大きさをヒシヒシと感じる。

 そして 3Fのジムに行き、誰も居ない大浴場を独り占めして暖かい湯船に浸かって色々と考える。

 これさ〜。イツまで続くんだろうね。長引くと全ての経済活動が停滞するから、どんな企業でも危機的な状況になる気がする。全く影響を受けない業種って無いんじゃないかなぁ? 何せ『ヒト』が動かない=『モノ』が売れないじゃん。まぁ一部の『通販事業』はヒトが動かなくても影響は少ないかもしれないけど、そもそも、どんな商品でも『作り手』が必要なワケで、服でも電化製品でも工場が止まっていれば、直ぐに在庫切れになるよね? 要するに生産するヒトが働けない状況が続いたら、売る側も売るモノが無くなっちゃうんだから、経済全体が停滞するのは自明である。飲食業や接客業はもっと深刻だ。全てが外卖になったら接客スタッフは必要無くなるし、大きな店舗を構えてるヒトは家賃だってシャレにならないだろうから、このまま何ヶ月耐えられるか…って考えたら、オーナーは皆生きた心地しないんじゃ無いかと思う。

 時間差こそあれ、全てがズルズルと苦しくなってくるスパイラルが始まってしまった気がする今日この頃。 これ、誰かが『頑張れば』解決する問題じゃない所が厄介なんだよなぁ。。。ホント。

 街が殺気立ってこない事を祈るばかり。
にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村