中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

『Gacharic Spin』Live at Kaixinguo

 今日は会社を午後半休して、一旦家に帰って荷物を置き、YESTERDAYに寄ってから機材を持ってタカさんの店(开心果)本店に向かった。今日は日本から『Gacharic Spin』というガールズバンド(玄人さん)が来海していて本日本店でライブがあるので、PAのヘルプを頼まれたのだ。
 一昨日セッティングした際、部屋の響きと音漏れがスゴかったので抑える為に3号店からカーテンを持って来てもらい、リハ前に即席でガラスに貼ってみた。
 リハーサルは入り時刻の関係で珍しく順リハ。OAの夢人さんからリハスタートである。いやぁ…1号店は慣れていないので音作りが非常に難しくハウリングとの戦いで暫し苦悩する。壁が結構響きやすい事に加え、今回『鳴り』が違う2種類の転がしを2発ずつ使っているのでEQで抑えるポイントが違うのだ。

 午後8時過ぎ本番スタート。まずは OAの夢人さんのステージから。色々とトラブルが続出して結構大変だったが、非常に元気の良いバンドで良かった。しかもワカモノなのに礼儀正しくてびっくり。時代は変わった(笑)

 そして午後9時過ぎ、いよいよ『Gacharic Spin』さんのライブ本番である。 サスガ玄人さんだけあって、本当に素晴らしい演奏だった。非常に上手いので、どうしてもギターとベースのテクニックばかり賞賛されがちだが、楽曲にちゃんと『歌心』があり、お客様に聴かせる『魅せる』術を知っている。

 正直、PAセッティングも完璧とは言えなかったので、開演前は期待と不安が入り交じってソワソワしていたのだが、いざ本番が始まって数曲演るウチにどんどん安心感が増して来た。今日は完全に私がバンドさんに助けられたと言っても過言ではない。

 やっぱりプロで演ってる人は違う。玄人と素人の一番大きな違いは音量調整にある。今日改めて再認識した。とにかく今日はドラムの子が素晴らしかった。元々結構な大音量で演るタイプの楽曲なのだが、やはりリハーサル時に音がどうにも纏まらなかったのを受けて、ちょっとお願いしてみたら、箱の大きさに合わせて、わざと非常に小さく叩いてくれたのだ。私もドラマーなので言えるのだが、実はドラムという楽器は小さく叩くのが非常に難しい楽器である。
 しかもこの様なツーバス(ツインペダル)の激しいハードロックである。この様な楽曲を『抑えて』叩くなんてストレス溜まりまくりだろうに。。。。でもビートは一切ブレず、音を小さくしたまま、完璧に表現していた。しかもちゃんと『魅せる』ハードアクションもちゃんとしていた。髪を振り乱しながら『小さく』叩く事の難しさって、多分演った事の無い人には絶対判らないと思うが、難しいなんてモンじゃない。ある意味『女優』になりきるしか無いのだ。
 それにラストの方でどんどん盛り上がって来ても決して音が大きくならない。アンコールの最後の最後まで、しっかり小さな音量をキープしたまま非常にタイトでグルーヴする良い演奏だった。
 自分のPAの出来としては、1号店にコレだけの機材を持ち込んだのが初めてだった事に加え、調整不足の感が否めなかったので60点くらいで非常に不甲斐ない出来ではあったが、彼女達のテクニックの御陰で何とか大きな破綻もなくライブを終える事ができた。本当に感謝している。

 最後に、折角だから开心果のスタッフと一緒に記念撮影。

 頑張って欲しいので CDも購入させて頂いた。

 何はともあれ、大きな事故無く(公安の登場もなく)イベントが終了できたので一安心である。コレでゆっくり眠れる(笑)