中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ドラムレッスンとピアノの収録

 土曜日、快晴。今日も朝から暑かった。午前中にドラムレッスン用の資料を作成し、午前11時前には家を出て駅まで歩く。
 ウチは駅の間に位置していて両方とも中途半端に歩ける距離なので便利そうで結構不便だったりする。レッスンは温故知新なので10号線の駅なのだが、自宅から10号線の最寄り駅まで歩くと20分くらいかかる。運動不足解消には丁度良い距離なのだが、何しろこの暑さである。駅に着く頃には滝の様な汗でタイヘンだった。
 写真は温故知新3階にあるレッスン部屋。以前お店で使っていた超古いドラムセットが置いてある。部屋は特に防音はしていないのだが、ココは一棟丸々温故のママが借りているので(お昼は2Fは営業していないし)どんなに爆音を出しても大丈夫…という好環境!?だったりする。

 最近は電子ドラムが結構安くなって来て、あちこちで普及し始めているが、ワタクシはどんなにボロいドラムセットでも、やっぱり生ドラムを推奨している。エレドラはいくら精度が上がって来ても音質や音色のコントロールという意味では『全く違う』楽器とすらら思う程だ。一番違うのはハイハット。オープン&クローズの微妙な関係による音色の変化はどんなに精巧に出来てるエレドラでも満足した試しが無い。それにシンバル類もそうだ。叩く場所が1cm違えば音は違う。力加減でも全然音色は変わってくる。同様にスネアも、リムと打面との細かな配分や、叩く場所によって変わってくる倍音なんかも表現できない。この辺までキッチリ再現できるモノがあれば良いとは思うが、やっぱりカナリ多くのセンサーが必要になってくるのでコスト的に難しいだろうな…なんて思うワケだ。

 でも、例えば基本的なルーディメントの練習や、手足の組み合わせ的なパターンの練習、それに何より『リズム感』と『タイム感』の練習をするには、音がしないエレクトリックドラムは非常に有用だとは思っている。故に、まず『生ドラムを知って』から、自宅等で(違いを認識した上で)エレドラで練習する…というのが最適だと思っている。エレドラだけで練習した人は実際のドラムを叩いた際に音量の調節が出来ない人が多い(どうしても音が大きくなりすぎる)からね。

 さて、今日のレッスンは3コマ。午後3時過ぎに終え、遅めの昼食を頂いた後は一旦帰宅する。タクシーで帰ろうかとも思ったが、折角汗かいたし、運動不足は否めない帰りもまた駅から歩く事にした。そして帰宅後は汗だくになったので、本日2度目のシャワーを浴びる。

 エアコンの効いた部屋で今夜の収録の準備をしていたらトツゼン激しい眠気が襲って来たので30分ほど昼寝をして、目覚めると同時にタクシーに乗って某所に向かった。

 本日は例の札幌のPJで使うピアノの追加収録があるのだ。ピアニストは友達のAyanoさん。

 今回、アップライトピアノの収録なので、ワンポイントステレオのコンデンサーマイクを使用。最初は上蓋だけを開けてそこにマイクを突っ込んでいたのだが、こうすると頭の中で鳴っている様な妙な音像になり、しかもペダルのノイズもモロに拾ってしまったので、上下の蓋を両方取り外してちょっと離して録ってみた。
 当たり前だが、蓋を外すと籠っていた音が全て解放されるので明るく前に出る音になる。中国の家は天井が高く基本的に響きが良いので、それも相まってカナリ良い音で録れたので満足。
 結構無茶な注文に対し、殆どアドリブで非常に良いテイクを弾いてくれた Ayanoさんにも大感謝である。こうやって多くの人の協力によって作品が着々と組み上がって行くのは楽しい。