中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

某ファッション誌のイベント

 水曜日、上海は晴れ。気温は18度。なんかもぅ寒くて凹む今日この頃。本日は外滩の中山东二路にある某ホテルにて某ファッション誌のイベントに出演される二胡奏者『赵磊』さんの PAである。最近『お抱えPA』的な感じで呼んでくれるので何気に嬉しい。でも期待に応えなきゃイケナイのでプレッシャーは大きい。
 イベント会場はホテルのホールなのだが、予想していたより一回り大きかった。LEDスクリーンが巨大過ぎて遠近感が無くなってしまうから写真じゃ分かり難いが、結構ちゃんとしたラインアレイにサブが4発も常設されている、カナリ大き目なホールである。

 窓の外には綺麗な浦东の近未来都市が見える。

 そして本日のワタクシの現場。メインの卓は YAMAHA LS9-32なのだが、例によって自前の XR18を持ち込んで対応。マイクは会場に入っていた業者さんから借りた DPA-4099が2台である。当初、バイオリン用のアダプターが無い…との事で自前のピンマイクを利用しようと思ったのだが、どうやら先方が気を利かせて借りてくれたらしいので DPAをメインにワタクシの SHUREはバックアップ用とした。(DPAコンデンサーは音が良いので結構好きだったりする)

 そして例によって!? やる気が有るんだか無いんだか判らない中国の業者さん達。でも機材は世界的な標準とも言える超一流なモノばかりだった。(しかし頭数多すぎ)

 中々やり難いのが、所謂『ハコ付き』のオペレーターさんとのやりとりである。彼らにしてみれば「俺らで十分対応できるのに、何でオマエが来るんだよ!」的なスタンスになってしまうので(まぁ立場が逆だったらワタクシもそう思うだろうし)いい感じに折り合いを付けるのが結構大変だったりするのだ。イベントの演目中、殆ど 8割は彼らが作り込んでる訳だし、その中の1コーナーだけワタクシがオペレーターとして『横取り』する訳なので、まず何より存在意義が問われるんだなぁ。(「よぅ日本のオッサン、デキるもんならやってみな!」的な(笑)) しかもココでメインの卓 LS9-32のシーンメモリーとか使ってマスターの EQをやり直しちゃったりしたら彼らは絶対良い気がしないし、それこそ『アリガタ迷惑』な話なので(しかも彼らの機材を弄ると、どんなトラップがあるか判らないしね)、そんな訳でウンウン唸って色々と考えて、結局、やはり自前のミキサーを挟む事にしたのだ。
 チャンネルを L+R+Subの3チャンネルと転がしモニタの 1,2のチャンネル、計5chを全て EQバイパスで出せる様に貰って、全てコッチの卓で GEQを作る事にした訳だ。これなら彼らは文句は言わない(言えない)しね。
 しかし、今回の様に PAブースとステージが異常に離れている現場で、たった 1人で転がしモニタ用の GEQを作るのは骨が折れるのだが、そこで活躍するのが iPadコントロールの XR18ですわ。超絶らくちん! いやぁ…スゲーやっぱコレ超便利。
 リハの最中も、演者の横でリアルタイムに音作り出来るので信頼感も上がる。特に今回の様に演者側もワイヤレスで歩き回る場合(しかもトークバック用マイクも無い場合)は尚更である。演者が演奏しながら歩き回りつつリアルタイムに要望を言うのだが、一緒に歩いて付いて回ってそれ聞きつつ、その場で即対応できるんだもん!こりゃ夢のようだよ。いやぁ…XR18が無ければ今回の仕事は一人じゃ受けられなかったカモ。細かい不満点は多々あるモノの、日に日にこの機材への愛着が湧いてくるのは事実かな。なんか『アンチ B社製品』を提唱していた身としては、とても悔しいけど(苦笑)
 そして長〜い待ち時間の後 21:45頃ついに本番、二人とも良い感じに盛り上がる。

 途中一瞬だけハウりそうになったのが自分的な汚点では有るが(本番はどうやら会場の音響さんがメインアンプを上げたらしい)でも何より演奏が素晴らしかったのでヨシとしよう!
 終演後、赵磊さんが「一緒に写真撮ろうよ」と言って下さったので3ショットをば。

 彼のこういう気遣いが『粋』だよなぁホント。今後も期待に応えられる様、日々精進しまっす!
 帰りのタクシーの中でフト気付いたけど、1000人近い現場の中でたった1人の日本人としてフツーに仕事できてる自分にちょっと驚いた。今まで『100%中国語の現場』にビビりまくってたのにね…意外と何とかなるモノじゃん?物怖じしない事が一番大事なのかもね、ナニゴトも。
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