中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

メディアは大げさ

 火曜日、上海は今日も快晴。でも気温は 6度くらいで相変わらず寒い一日だった。
 さて先般 Facebookにも書いたがココ数日賑わせてる某Yahooのニュースが『中国、ネット規制さらに強化』的な内容で、某VピーNがより規制される…という内容なのだが、ワタクシ自身も(元ネットワークエンジニアゆえ)コレに関してカナリ長い事研究して携わっている身として色々な方々から問い合わせを受けているので、折角だしココでもちょっと持論を展開してみようかと思う。(興味ないヒトはスルーしてください)
 まず、VピーNを語る際に、何故ワタクシが敢えて『ピー』だけカタカナにしているか…という部分から説明が必要かもしれないので簡単に説明しようかな。
 この国は日本の 14倍もの人口を抱える巨大な国家である。(今から書く事はあくまでワタクシの『私見』である事を予めご了承いただきたいが)同じ国内なのに地域によって貨幣価値が 10倍近くも異なるという国を一つに纏めなければならない…という事を考えると、コレは『とてつもなく』難しい…という事はチョット想像してみると誰しも直ぐに理解できると思う。言い方は悪いかもしれないが、この国は言わば不公平感の塊なのですよ。そんな訳で某当局は暴動や要らぬ不公平感を国民が自覚する事を避けるために「皆様は『平等』で、安心して暮らしているんですよ」的なプロパガンダが必要なのだ。そんな訳で、国外の素人がつぶやく『素』の情報(つまり「お前ら不幸だな」的な)が入ってくるのを可能な限り避けたいのは自明である。そこで考えに考えた結果が彼の GFWな訳で、これは要するに国内に限っては比較的自由にものが言える状況(もちろん全部チェックするけど)だが、対海外に関しては国を纏める上で不都合な情報は『国内に入れない様に制限しますよ』という仕組みがどうしても必要だったのだ。
 GFWは、私が赴任した約 13年前は、当初 6,000人体制で『人力で』検閲している…という噂があったが、さすがに 21世紀である。PCの性能が上がり検索ロボットが非常に優秀になったのは事実で、ワタクシのこ〜んな下らないブログでさえアメリカから googleのカラスが飛んでくる時代である。今やキーワード検索による排除が一般的なのですよ。そんな訳で、勿論このブログも日本のサーバーに記事が上がっているので、中国からの参照が多ければ、それは規制対象として監視されるのは言うまでもない。しかしヒトが監視しているのでなければ(ロボットが論理的なキーワードによる検索を行っているだけならば)避ければ良いだけで、ワタクシは敢えて検索ロボットに引っかかる様なキーワードに関してはカナリ神経を使って排除する様に心掛けている訳だ。そんな訳で、敢えてカタカナを組み合わせたり、変な所にスペースを入れたりして書く様にしているのである。(…とは言え明日は分からないケドね。まぁ基本的に批判的な事は一切書いていない(というよりまぁ読んでる方はご存知とは思うが批判する気は全く無いし寧ろある意味では賞賛さえしたい位だ)ので大丈夫だとは思うが)
 さて、そんな訳で本題。
 今回のニュースの内容を細かく見てみると『提供を禁じる』と書いてある。つまり『利用を禁じる』とは書いていない訳で、つまり(あくまで個人的解釈からすると)『国内で違法に VピーNサービスを行ってる会社は今後片っ端から潰して行きますよ』という告知(脅し)に近い物じゃないかな?なんて思う訳だ。事実 VピーNの技術は全世界的に企業内機密保持の観点から拠点間ではほぼ 100%使用されて確立されている言わば『世界的に必要な』技術だし、それ故、海外に置いてある VピーNサーバーに対してまで、この国の某当局がとやかく言える立場に無いのは自明である。
 従って本来ならば、どちらかというと不正に『利用している』ヒト達を規制したいのが本音だと思うのだが、先に書いた通り『企業内機密保持』の観点から絶対的に必要な技術ゆえ、そのプロトコル自体を全てのルーターで規制するのは限りなく不可能に近い。実際問題すでに国内でも流れまくっているし、それを末端のルーターが一つ一つ解析して排除するのは(理論的に出来なくは無いが)コストと合理性を鑑みると不可能に近いと思われる。そんな訳で、まずは国内の業者を潰して、その後、次に海外の著名 VピーNサービス業者の ipアドレスに対して片っ端からアクセス制限をかけていくしかないんじゃないかな?なんて思う訳だ。しかし海外で営業しているプロバイダだって固定 ipばかりとは限らない。つまり ipアドレスを変えて営業されてしまえば、ブロックしても直ぐに次の抜け穴ができてしまう訳だ。現在使われている最もポピュラーな xxx.xxx.xxx.xxxという 12桁の ipアドレス(IPv4)は、コレだけでも約 40億通りの組み合わせができるので、コレらを片っ端からブロッックするだけのブラックリストを作れば良いのだろうが、14億人が一斉にアクセスするネットの一つ一つに 40億通りの宛先解析をしてブロックするか?…と言ったら「まぁしないだろうね」…と言うのがワタクシ的結論だったりする。もし私が某当局トップなら、それだけのコストには見合わないと判断するだろうね。
 従って Yahooの記事はカナリ悲観的に記載されてはいるが、現在ワタクシが個人的に非営利で運営している某サーバーに関しては 3台とも日本国内に於いて日本の法律に基づいて合法的に設置してあり、且つ、場合によってはイツでも自由に ipアドレスを変更できる状態にあるのでコレ自体が直接影響を受ける事は(限りなく)少ないのでは無いか?…というワタクシなりの結論だったりするんだな(笑)
 っつーか規制に関しては、先に書いた通りこの国にとっては『必要悪』の一つなので、今に始まった事じゃなくて、それこそ 10年以上前からずーっと存在している問題で、今更大騒ぎする程の事では無いと(個人的には)踏んでいる。ただ、iOSや新しいOSXが、比較的動作の軽いピーPティーPを排除して、今後はLツーTピーのみに対応したり…と色々と技術変革は絶え間なく進んでいるので『イタチごっこ』とは言え、常に最新の情報にアンテナを張り巡らせ続けなければならないので大変は大変だけどね。我々にとっては『ライフライン』と言っても過言ではないので引き続き頑張ろうと思う。
 さて、本日は写真ネタが無いので、昼に食べた日本料理屋の並びにあるローカルヘアサロンの写真。

 カタカナを入れると日本っぽい雰囲気が出て高級感?とうか技術高いですよ感?が出るからか、こういった看板を上海では良く見かけるが、『ン』がいびつで可愛い。。。と感じてしまう今日この頃。
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