中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

深セン公演無事終了

 金曜日、深圳は晴れ、気温は28度くらいで昨日よりは大分下がったので良かった。
 本日は某アーティストのアジアツアー、深圳公演の本番である。今日は入り時間が比較的遅いので朝はホテルのモーニング(バイキング)でガッツリと頂く。

 お昼くらいから諸々仕込んでリハーサル突入。
 ワタクシはテックまわりの技術通訳を兼任しているので結構忙しい。まずはPA周り。

 今回は日本から PAさんが乗り込んで来ているので、音響に関しては基本的に通訳に徹すれば良いので比較的楽なのだが、今回大問題だったのは照明である。
 照明さんはハコ付きの中国人なのだが、このホールではこういったジャンルが比較的少ないらしく、今日のオペさんはこういう音楽の照明が結構苦手らしい。故にひたすら横に張り付いて10秒ごとに指示しなければならないから何気にタイヘンだった。
 彼は伊達にプライドが高く、自分で「こういうジャンルは苦手だ」って言ってるクセに自分なりのポリシー?みたいなモノを振りかざすので、言うことを聞かせるのがとても難しかった。適宜褒めて機嫌をとりつつもガンガン文句言わないとイケナイから結構喧嘩っぽくなったりする。でも本気で怒らせちゃうと匙を投げて「じゃぁオマエがやれよ!」と言ってマジで帰っちゃうから、ギリギリの部分でバランスを見ながらコチラの思惑通りに動かすのがキモなんだなぁ。。。
 勿論オペレーターによって性格が違うのは世界共通なのだが、中国人は特別で、とても『効率』を重んじる国民性から『細かい地味な変更を積み上げていく』作業の事を最も嫌がるのだ。直ぐに『差不多(大差無いよ)』と自分で判断して手を抜く傾向がある(「おまえ以外誰も分からない様な変更をして何になる?こういうのが無駄なんだよ」…と本気で思っているらしい)。ゆえにこの辺の事を作業させるのが(しかも外国語で)ホント一番難しいっす(泣)日本サイドにしてみれば要望通りになるのが当たり前だからね。いわゆる板挟みである。
 しかもこのホールの照明卓は 3Fの金魚鉢の中なのでインカムだけが頼りなのだ。日本の舞台監督さんはコチラのそんな事情までインカム越しには分からないし、曲中では一々細かい説明なんかしてられないから余計に苦労が絶えない。まーったく因果な商売だ。50歳過ぎて何やってんだか(ま、好きでやってるんだけど/苦笑)

 そして 5分遅れで開演。本番中は照明さんに貼り付いて、ほぼリアルタイムに怒鳴って指示していたので忙しくて一切写真が無いが、とりあえず何とか無事に大きな事故なく成功したので良かった。ホント久々に胃が痛い現場だった。
 さて!明日は上海公演!噂によると台風がが来ているらしいが、とにかく無事に飛ぶ事を祈ろう。
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