中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

小米とスクメロ

 月曜日、上海は曇り、気温は 33度。腰の調子は徐々に良くなってきて、フツーにしてる分には痛くなくなってきた。いやぁ…良かった。ギックリ腰を甘く見ちゃイケナイ。ナメてるとこんなに長期化するなんて知らなかった。腰がダメだと何も出来ん。
 フツーに出社後、午前中は秋〜冬イベントの整理。先日の 4daysみたいな大型のイベントは無いが、中型のがボチボチ有るので色々と準備が必要。逆に言うと今しか準備できない。特に PC周りはメンテナンスに結構時間がかかるので、こういう風にイベントとイベントの合間に道具の手入れはシッカリ行わなきゃね。
 そんなワケで? 同僚のカンザキも Windows PCを新調したらしく見せて貰った。ナント!噂に名高い Xiaomiの mibook pro 15.6inchじゃないか。Xiaomiとは『小米』と書いて「シャオミー」と発音する。安くて高性能なスマートフォンで一気にシェアを拡大した中国メーカーである。スマフォ開発時に iPhoneの良い部分をシッカリ研究して自社製品に取り入れたのと同様、最近では PC分野では Macを研究し尽くして自社製品に生かしているらしい。…と、こういう風に書くととても素晴らしいのだが、いやいや、コレ凄いっす。「まんま」パクりだったので笑ってしまった。外見のデザイン(サイズや色味)のみならず、何から何まで似ている。しかもスペックは本家を越えてるから恐ろしい。因みに SSDを追加搭載するらしく中を開けていたのだが、中を見ても笑ってしまった。黒で統一されていて、つや消し黒に塗られたカヴァー部品や左右対称のシロッコファンの配置やスピーカーの配置まで、どっかで見たことある様な内臓である。わお!こりゃ日本でマトモなルートで買えるワケないわなぁ。

 第八世代のCore i7(Quad core)搭載で SSDだってメモリだって自分で簡単に増やせる自由度があって、Macbook Proの 1/3の値段で買えてしまう素晴らしさ。起動後にちょっと見ていたら、OSにまで手が入っていて、トラックパッドの 2本指& 3本指ジェスチャーまで対応(しかも Macと全く同じ動作で Mission Control的なホットコーナー機能まで!)してて驚いた。いやはや…ココまでやれば天晴れですよ。寧ろヲレも欲しくなってきた(ネタとして/笑) でも考え方を変えれば『良い部分』を全面的に認めて、積極的に取り入れていく…という姿勢は間違って無いと思う。さすがにこんだけ特許やライセンスを無視したらマズいけどねw いやぁ…でもコレ『攻めてる』わ、ホンキで。。。いつか訴えられるだろうから、買うならその前かもね。
 さて、午後 3時過ぎにコーヒーが飲みたくなったのだが、何となく例のスタバのコレが飲みたくなって近所のスーパーまで歩いた。今日は3種類をオトナ買い。

 このシリーズ好きだなぁ。今日は真ん中のアメリカンを飲んでみたんだけどサッパリしていて甘くなくて美味しかった。


 さて!またまた話題はガラっと変わって、ワタクシも楽曲提供させて頂いている SQUARE ENIX社のリズムアクション音楽ゲームスクールガールストライカーズトゥインクルメロディーズ〜』のサウンドトラック(音楽CD)第二弾が、つい先日発売されたらしいのでご紹介しよう。

『スクールガールストライカーズ〜トゥインクルメロディーズ〜Melody Collection Vol.2』この CDにはワタクシの楽曲も入っているので興味の有る方は是非!(笑)
 折角なので、制作秘話っつーか裏話なんぞ。。。このオシゴトは去年2017年の頭に日本で収録を行ったのだが、色々な意味で改めてとても勉強になったプロジェクトだった。ワタクシの曲はこの PJの音声収録が始まったばかりの最初の頃の収録で、まだ声優さん達も本人達の中で『役柄』が出来上がっておらず、そのまま『素』の状態での収録だった事もあり、それぞれが手探り状態だったので色んな意味で大変だった。
 それに加えワタクシ的な最も大きな反省点としては、やはり『mix(TD)まで自分でやるべきだったな』…という点が挙げられる。誤解を招かない様に言っておくと、決して今回担当して下さったエンジニアさんが悪いワケではない。多くの商用スタジオのエンジニアさんは『フルサイズ(Longバージョン)ありき』で『限られた』時間内での作業を余儀なくされているワケだ。ところがゲームというのはショートバージョン(2分間のゲームバージョン)が最初にリリースされ、お客様はコレを遊んでみて善し悪しを決めるので 9割方ショートバージョンの方が重要なのだが、この辺は経験値なので温度感の差がどうしても生まれやすい。やはり収録時は 5分くらい有る曲を頭からお尻まで録るので、エンジニアの意識としては起承転結が重要になってくるワケで、当然その『全体パッケージ』で纏めようとするワケだ。ワタクシは作曲、アレンジ、演奏等を行うので、ミックスは『俯瞰視点からのアイデア』というか『別のヒトの手(その筋のプロの手)』が入った方が良くなる、と思っていたので、収録ディレクションまで担当した後は、その後のトラックダウン作業は全てプロのエンジニアさんにオマカセにしてしまったのだ。
 担当エンジニアさんは、限られた時間内でロングバージョンを一生懸命纏めて下さり(声優さん 5名全てがフルサイズで複数テイクを録っているのでこの中から良いテイクをピックするのは目眩がするほど非常に時間がかかる作業なのだ)ワタクシも後日 2mixをチェックさせて頂いて満足いく仕上がりだったのだが、肝心のショートバージョンについては、その後いつまで待っても全く音沙汰が無かった。
 一抹の不安は有ったものの、リリース予定日までまだ時間も有るし、急かすのもオトナゲないかと思いそのまま忘れてしまったのだが、気付けば半年くらい経ってからリリースのお知らせが来て思い出した。そしてワクワクしながらネットで評判を見ると…なんとカナリ酷評されているではないか。あちゃーマジか…。ショックを受けつつも、自分で聴いてみないと判らない。この曲は『隠し曲』扱いだったのでゲーム内のパラメータを上げないと遊ぶことができないため、何とか頑張って自分の曲が出るまで遊び、やっとの思いで出してみて、ようやく酷評の理由が分かった。
 ゲームバージョンは非常に残念なmixだったのだ。。。特に歌のピックアップが悉く良くない(悲) でも勿論コレには理由があって、ゲームというのは映像と合わせて初めてマトモな作品になるのだが、映像(3DCG)の方が後から出来上がるため、どのパートで誰が歌うか収録の時点では全く判らないワケだ。そしてようやくゲームバージョンのミックスの段階になって、初めてこのパートは誰々が歌ってこのパートは誰々が歌います、という具合に指示される。しかしその際にその声優さん歌唱の中に良いテイクが残っているか…というのは結構な『賭け』で、正直「これキツいなぁ…」という部分を仕方なくピックアップしなければならない場合も多々有ると思われる。しかも全員が全員まだ役柄がしっかり出来上がっていない手探り状態のテイクである。エンジニアさんも相当悩んだに違いない。しかし商用スタジオのエンジニアさんは『時間』との闘いなので(業務用のレコーディングスタジオのレンタルは非常に高額なのだ)何とか限られた時間内に纏めなければならない。そして苦肉の結果、このミックスが出来たんだと思われる。
 …と、こういう裏事情まで見えちゃうからこそ、誰も責められないし、責められるべきは自分自身なんだよなぁ。しっかり引き取って最後まで自分自身で時間をかけてミックスしていれば、もう少し『やりよう』が有った気がするのが非常に悔やまれる。ゲーム業界って非常にシビアで、一度でも悪評が立つと次の仕事が来なくなってしまうのだ。いやはや残念で仕方ない。
 いつかもし、何らかの形でもう一度チャンスが有るなら、今度は最後の最後まで自分自身でミックスして、悔いの無い作品を出したいものだ。
 …でも無いだろうなぁ。この業界、トテモ厳しいのである。ざんねん。
 あ、でもこのサントラ CDはロングバージョンゆえ当初の目論見通りなので安心して下さい(笑)

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