中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

4年に一度の29日

 土曜日、上海は曇り時々雨、気温は 12度。うるう年ですな。2月に29日が有るのは4年に1回だっつーのに何ともパッとしない一日。

 新型肺炎の影響で、例によって暇な土曜日である。やり場の無い閉塞感に嫌気がさして、家族には申し訳ないが午後からヘッドフォン被って自分の世界に入り込む。ワタクシの場合はクリエイティブ方面が精神安定剤。某楽曲のオケを作ったりして過ごす。ま、イワユル一つの現実逃避ですな。。。

 丁度良い機会なので NIの KONTAKT音源のプリセットを片っ端から聞いてみる。相変わらずスンゴい量である。
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 ワタクシのはちょっとバージョンが古くて KOMPLETE 11の Ultimate版 なのだが、コレも何というか今までの流れで Ver.5 くらいから(まるで iPhoneの様に!?)バージョン 1つ置きくらいにアップグレードしていて、正直 Ultimateにしてから恐ろしく音源のプリセット量が増えたので、全ての音源を聴けてなかったのだ。何とも勿体ない話である。

 昔はハードウェア音源だったので 1つの音源モジュールで 127種類 x 4バンクくらいしか無かった。それでも多い位だったが、当時はお金も無かったし、それこそ 20万円近い機材だったので、文字通り『使い倒して』いたワケだ。全ての音色をアタマに記憶していて「こういう音が欲しいな…」と漠然と思い描くだけで、「バンクCの 107番をエディットしよう!」とか直ぐに直感的に作業できたのだが、今やソフト音源の時代である。この Native Instruments製品だけで、40,000音源以上のプリセットが収録されているのだ。どこに何があるかサッパリわからないし、音を探すだけで丸一日経ってしまう…という(呆) 何たる時間の無駄! 音を探している間に、徐々に創作意欲が萎えていって、挙げ句「もうエレピでいいや…」と投げてしまったりして!? こういう風に音色を『探す』時間がいつも不毛だなぁ…と思うワケだ。情報が多すぎるのも考え物である。

 昔のチープな機材だけで作っていた時の方が、作品に勢いが有るし、寧ろブレない良い曲が多く出来ていた気がするのはワタクシだけだろうか? 最近のはホント『できあいのループ』を回してるだけで、何となく『それっぽい』雰囲気が出来ちゃったりしてお手軽なんだけど、みんな同じに聞こえちゃうんだよね…。この状況下では『トラックメイキング』という観点からだけ見ると、音楽のいろはを積み重ねてきた百戦錬磨のミュージシャンよりも、時間がたっぷり有るセンスの良い学生が恐ろしい量の音源を片っ端から聴きまくった中から『センス一発』でコラージュした方が俄然格好良かったりするから困りもの。

 あ、別に誰に困らないかw そういう時代だものね。イカンいかん老害的発言だな(苦笑)

 …とかなんとか!? 考えながら普段使わない音源を片っ端から聴いてみた。いやぁ…面白いね!っつーか素晴らしい! これ聴いているだけで創作意欲が沸いてくるから不思議だ。
 そうなのだ…発想が『真逆』だったのだ。我々は納期とか締め切りに間に合わせる為に必死に『自分の曲中のフレーズに合う音(アタマの中で鳴ってる音)』を『探して』いたから、多すぎると時間が無くなって徐々に腹が立ってくるのだが、こういうソフト音源のプリセットって、何も曲が無い所から、プリセット鳴らして『遊んで』そこからヒントを得てトラックを作っていく…っていう方が正しい使い方なのカモね。
 普段は音源が多すぎる事を寧ろ忌み嫌っていたが、ワクワクする様な良い音が沢山入ってるじゃん! 音源から沸いたイメージで曲を作ってみるのも悪くないかも。
 まぁでも 4万種類も有ったら、一度通り過ぎてしまったら何処に何があったか忘れちゃうから、殆ど『偶然性の賜物』?みたいな曲しかできないかもしれないが。。。

 そんなワケで、特にストレスを溜めずに、自宅であっという間に丸一日が経ってしまった。…となるとストレスが溜まるのは妻と息子であり、夕方以降は息子とちょっとだけ遊ぶ。


 本日息子から教わった新事実は以下2点。実験してみたらホントだった(驚)
 1. マスクをしたまま口笛を吹くと上手く鳴らない。
 2. 猫の肉球でも iPhoneは操作できる。

 いやはや、大人には無い柔軟な発想が素晴らしい。
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