中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

今日は大阪のスタジオと仕事

 金曜日、上海は快晴、気温は 17度。

 朝 6時に自動的に起床。サクっと支度して地下鉄と路面電車を乗り継いで松江まで出社。朝 9時過ぎの松江某所では草刈りおじさんが芝を刈っていた。独特の香りに朝から癒される。
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 出社後は慌てて機材類に火を入れて、日本と zoomを繋ぐ。本日も日本の声優さん収録が有るのだ。今日はいつもの東京のスタジオでは無く大阪のスタジオらしい。今回は比較的大き目の PJなので、東京のみならず関西在住の声優さんも 3名いらっしゃるのだ。普段ならば東京まで新幹線で来て頂くのだが、なにせ日本はまだ新型肺炎が全く収束しない今日この頃である。東京の感染者数は一昨日も昨日も 300人を超えたらしい。そんな状況で複数の声優さんを動かす訳にも行かないので、日本のエージェントさんが一人だけ関西まで出張していただき、大阪のスタジオから上海と東京と 3拠点を結んで収録を行う事になったワケだ。
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 ワタクシ最近ウチの会社の 263スタを私物化してずーっと入り浸ってる気がしないでもない(笑)別に他の部屋でも良かったんだけど、不思議なものでワタクシ一度使うとそこばかり使う様になるのよね。なにこれ?動物的本能?(笑)そういえばトイレで用を足す時も殆ど決まった場所(ワタクシの場合は左から2番目)でするんだよね。不思議〜。

 本日の収録はアニメーションアフレコのカットシーンが多くて結構苦労した。今日は大阪なので勿論いつもと違うスタジオだし、先方は Nuendoを使ってるらしいのでオペレーターさんももちろん違うので勝手も違う。(東京&上海は ProTools)

 でも今日のアシスタントさんはホント凄かった!感動した。 なんと、映像がまだ出来ていないシーンの会話部分の収録時に、前回録った他の声優さんの会話を瞬間的に嵌め込みながら(まるでホントに会話している風に)収録できたのだ。いったいどうやってるんだろ? もちろん、前もってカナリ時間をかけて準備すれば出来なくはないが、今日の某声優さんの時だけ、どうしても会話の温度感が掴めなかったので、ほぼその場で駄目元で頼んでみたのだ。もちろん、以前録ったデータは録りっぱなし状態で、まだピックアップも済んでないし、丸めて綺麗に並べた訳じゃないのに…である。すげー。感動!!

 収録時の尺って結構アバウトなので、だいたい前後にカナリ隙間を開けて録るものだし、録りの時点で複数のトラックを作ってキープしたり選んだり、あるいはセリフを変えて別テイクを録って別名で保存したりするから、セリフの長さもシチュエーションによって変わるし、数も異なるから、収録時の時間軸(横軸)は絶対『合っていない』筈なのだ。特に今回の様にカットシーン(ムービーシーン)とゲーム中のランダム発生ヴォイスとを同じ日に同時に録っていく場合、人によっては 3時間以上かかる方もいれば 30分で終わってしまう方もいらっしゃるので…。それにムービーはまだ 20%くらいしか完成していなくて、紙のコンテしか無かったりするからタイムコードも振れない状態なのだ。ゆえに全キャラクターの収録セッション時の横軸(時間軸)をキッチリ合わせているとは思えない。

 そんな状況なのに、一週間前に録った人と、昨日録った人と三日前に録った人のセリフを瞬間的にピックアップして会話を成り立たせながら録音するためには、ロケーターを激しくスキップしまくってミュートをON/OFFしまくらないと絶対無理だと思うんだな。。。。ホント一体どうやってるんだろう? 録っている本人が『噛んで』言い直して、時間軸無視してそのまま言い直しても、次に出てくる別のキャラクターのセリフは、言い直しを録り終わった直後からタイミング良く直ぐにプレイバックされたのだ。しかもコレが1箇所じゃ無くて、結構長めの 10ラインくらいの会話がずっと続いてて、その会話の『隙間』に録って行くんだぜ??? うーむ…一体どのトラックに録音して、どのトラックを再生してるんだ?!?!?! まるで手品だ(驚)

 オペレーターさんの手元と画面が見たくてしかたなかったが、zoom越しなので自分じゃカメラを動かせないから見る事が出来なかった。いやぁ…ホントすげーわ。この技術、勉強したい!!!

 気づけば最後の声優さんのみ 4時間強もかかった。終了したのは 21時半過ぎ。例によって終電ギリギリなので会社を飛び出して帰宅。
 いやはや…疲れたけど、毎日新しい気付きが有って新鮮で楽しい。
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