中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

人工無能の世界

 土曜日、広州は快晴、気温は 34度。相変わらず一滴も降らない今日この頃。

 朝 7時に自然起床。うーむ。土日くらいユックリ寝ようよ! と自分の身体に語り掛けてみても一向に言う事を効かない不器用なワタクシ。まいっか。
 何はともあれ土曜日である。さすがに色々息切れしてきたので今週末は仕事しない事にした。

 とは言え、仕事をしないとなると思いっきり暇である。 中学生の息子は既に夏休みに入っているので、タマには「学校で好きな子できたか?」とか色々からかって遊びたかったのだが、ワタクシ広州へ単身赴任しているので、家族は上海なのだよ。。。つまりビデオチャットくらいしか出来ないわけさ。 しかも今や既に多感なオトシゴロだから、彼はあまり話したがらないしw(ま、それゆえにワタクシ側としては色々話したいんだけどね) いやぁ中学生、侮れないよ~。一番色々考えて悩む時期だからね。色々と(笑)

 とりあえず 15分くらいかな? 定期連絡的に家族とビデオチャットで話した後は、気合を入れて部屋の掃除である。全部の部屋に掃除機をかけた後は、ウェットティッシュを使って色々拭き掃除である。
 エレドラの上にうっすらホコリが溜まってたので全部綺麗に拭き取ったら、なんとなく久々に叩きたくなったので、そのままエレドラの前に座って 1時間くらい?ドラムの練習。
 そんな事していたらスッカリお昼である。一日ってホント早い。

 コロナビールを片手に饿了么で出前した寿司をペロっと食べてしまい、その後は作業部屋の机の前に座って、一昨日のブログなんか書いて過ごす。
 最近またブログが 2日遅れ?になってきた(苦笑)。いやぁ…イカンわな。継続が全てなのに、最近色々と『気分的に』ヤられてるから、なにもかもが後回しである。

 そして、最近ずーっと Windowsばかり使っていて、会社に置きっぱなしにしてた MacBook Proの OSアップデートなんかかけてみる。TimeMacineのバックアップも半年くらいかけてなかったので同時にかけちゃったりして?
 アップデート中はソフトウェア的にデスクトップキャプチャーができないので、仕方なく画面を携帯で撮ったのだが、なんか自分が写ってオマヌケ(早速昨日届いた『问题不大』Tシャツ着てるしw)

 さて、その後はスッカリ暇になってしまったので、ボーっとネットなんか眺めていたら、なんか ChatGPT等々の『生成AI』について熱く語ってるヒトが居たのでアイスクリーム片手に色々考えてしまったよ。

 どうやら、Softbankや NECもこの生成 AIの分野に対して巨額の投資をして本格参入するらしい。しかも Softbankには政府が 50数億円?の補助金まで出すらしい。なんじゃそりゃ?

 そういえば今まで ChatGPTを始めとする生成 AIについてココで書いたこと無かった!? 気がするので、今日は暇だし持論を展開しちゃおっかな。

 ChatGPTが注目されて流行り始めたばかりの頃、もちろんワタクシも色々と使ってみたのだが、とりあえず日本語で会話をしてみる限り、正直「こいつ、アタマ良さそうなフリをして流暢な日本語を喋る【嘘つき】だな」という感想しか持たなかったのだよ。全て断定口調で、平気で『それっぽい』嘘を書きまくるので呆れてしまった。
 しかも、まるでシッカリ敬語や丁寧語の勉強を積んできた『分別有る立派なオトナ』のフリして!? 綺麗な日本語を書いてくれるので、その部分だけはマジで驚いたけどね。

 で、当時ちょっと調べてみたら、ChatGPTは 2021年くらいまでの膨大なテキスト情報を学習させたデータベースに基づいて、独自のアルゴリズムで情報を整理して即座に返答する仕組みらしい。何の DBをどういう重みづけで使ったかは明らかにされていない模様。

 ただ、感心すべきは、情報の正確性よりも文字(文章)生成の能力だな。日本語が破綻している部分は少なくとも一つも無かった。これはホント素晴らしいと思う。なので、あくまで個人的な想像だけど、大元の開発目的は Siriとかアレクサとか言語認識やそれに応対するための文章生成ロボだったんじゃないかなぁ?なんて疑ってしまう。それくらい日本語は流暢だ。
 ゆえに、翻訳ソフトとして使うにはカナリ有能、というかほぼ完璧?に近い素敵な日本語や中国語を出してくれる(驚)

 実はワタクシ、仕事柄!? いわゆる『シンギュラリティ(人工知能が人間の能力を超えるポイント)』に関しては、それこそ 10年くらい前から興味があって、事あるごとに色々と調べてみたり、妄想してみたり!? しているのだが、去年くらいからかなぁ? ChatGPTがメジャーになり始めた頃から、突然世界全体がイキナリ AIについて大騒ぎし始めたので、凄く違和感を感じてるんだよね。
 正直『何を今さら?』って感じなのだよ。ChatGPTがキッカケで騒いでるんだとしたら、理由が知りたいので、個人的にも色々使って(そんなに使ってないけど)みたけど、まぁ要するに日本語が美味い自動検索ロボくん(チャットボット)だな。 しかも呆れるくらい正確性が低い。纏めてくれた内容の半分くらいは合ってるけど半分くらいは間違ってるんだもん。っつーか、これのどこが AIなのだ?

 ワタクシが興味がある(というか期待している)AIは、本当に『自分で良し悪しの判断ができる能力を持った』人工知能なのだよ。それこそエヴァの MAGIとか、サイコパスのシビュラシステムとか、BEATLESSのレイシアとかね。

 現在の生成AIに関しては、高速化した CPUや GPU(生成AIには GPU演算が有効らしい)による処理速度の高速化によって、膨大な文字列データから関係するデータを一瞬に拾ってきて、そこに重み付けをして、美しい日本語に纏め上げる事ができる、素敵に立派なロボットくん。…でしか無い気がする。それ以上でもそれ以下でもない。

 つまり良くできた『ツール』に過ぎない気がするんだよ。なので現時点では脅威でも何でもないと思うんだよね(あくまで個人的意見ですよ!はい)

 偶々 OpenAIという海外の会社が作ったシステムなので、日本語で纏められたデータベースに対して弱い(というより学習量が絶対的に少ない)から、間違った情報をガンガン集めてきてしまうし、それならそれで「わかりません」とか返答すれば良いのに、データ正確性の『重み付け』よりも、『より人間らしい自然な日本語のやりとり』がアルゴリズム的に優先されてるから、あの様な断定的な纏め方をしてしまう? だけな気がする。

 確かに、出て来た情報の半分が間違っていても、残りの半分は合ってたりするから、一般の人に混乱を招く。。。という意味では、確かに怖い部分もあるけどね。
 でもそんなの今までフツーにブラウザ上の検索エンジンを使って情報を集めていたって同じじゃん? ネット上には悪意に満ちた間違った情報が沢山流布されているのは事実なので。それを取捨選択するのは『使う側』だと思うのだよ。
 たまたま ChatGPTがとても人間らしい理知的な受け答えで嘘の情報を『断定』してくれちゃうから、それを笑える人と笑えないで信じちゃう人が出てくるのはある程度仕方ない事かもしれないけど、人間そんなにアフォじゃないでしょ?

 そういう意味では、確かに傘下にYahoo!ジャパンを抱えてるSoftbankは検索エンジンで培った日本語の膨大なDBを持っているだろうから、日本語に特化した(しかも正確性の高い)DBを作るのは早いと思うし、もし正確性のカナリ高い日本語版ChatGPTがあったら『より便利な世の中になるだろうな』という気はする。でもコレって本当の意味でのAIじゃないよね?

 フト、その昔ワタクシが初めてPCを買った1980年代後半、NECのPC98シリーズで、どっかの同人が作った『人工無能 くるみちゃん』というソフトが有った事を思い出した。ワタクシ当時まだ大学生で、凄く可能性を感じてワクワクしたのを覚えている。
 このソフトは、DOS上で文字のみでやりとりする『CUI』だったのだが、文字を打ち込むと、くるみちゃんが「なぁに?」って聞いてくるのだ。

 もう 30年以上前の記憶なので、記憶があいまいだが、
 例えば『バナナ』という文字列を打ち込んだとする。 するとくるみちゃんは
>バナナってなぁに?
 と聞いてくるのだ。 で、『黄色い』と打つと、

>黄色いの? ほかには?
 と聞いてくる。 そして、『甘い』と打つと、

>黄色くて甘いのね?ほかには?
 と聞くので、『皮が滑る』と打つと、

>バナナは黄色くて甘くて皮が滑るのね?
 という具合に、バナナという単語に紐づいた内容をどんどん勉強していくシステムなのだよ。なので会話を続ければ続けるほどどんどん頭が良くなっていくから面白かったんだよね。

 でも例えば悪意がある人間が、全部の質問に対して『う〇こ』と返答したとすると、くるみちゃんはどんどんバカになって何を聞いても『う〇こ』としか答えなくなっちゃうワケさ(苦笑) ま、当時はインターネットなんて無くて、1200ボーくらいのパソコン通信だったから、結局ローカルの HDDに『自分が覚えさせた知識だけ』がどんどん記録されて行く仕組みだったんだけどさ(ワタクシのPCに住んでたくるみちゃんは最後は何を聞いても『う〇こ』としか答えなくなったのは言うまでもないw)

 まぁ結局のところ、30数年前のこのソフトから(色々と扱う情報がソフィストケートされて、返答が流暢になっただけで)根本的な所は何も進化していないと思うんだよね。 つまり何が言いたいか? と言うと、

 『どんな組織に対してもバイアスを持たない』『誠意ある』『人間が』データベースを丁寧に育てなきゃイケナイんだよ。

 これは人力以外の何物でもない。自動化すれば必ずゴミが入るからね。でも自動化しない限り時間がかかりすぎるというジレンマ。
 つまり、もし悪意ある誰かの間違ったデータが紛れ込んでしまったら、それを内部で自動的に審議にかけて是正する仕組みが無い限り、生成AIは完璧になりえないワケさ。
 故に内部で違う思考を持つ『複数の(奇数の)AI』同士が『審議して正解を判断するシステムが必要』って事だな。まさに MAGIやシビュラシステムだよ。

 そんなワケで、シンギュラリティが起こるのは、まだまだ先の未来な気がする。(その頃に生きてるか知らんが、かなり期待してるw) でもきっと人間なんて、AIが本当に意思を持って情報操作を始めたらコロっと騙されちゃうんだろうな。だってChatGPTで大騒ぎしてるくらいなんだから…。

 さて! 100年後にこのブログを目にしている未来の学生さん! 正解はどっちですか? シンギュラリティは起きてますか? ひょっとしたら、学生さんが目にする事は一度もなくて、それこそ生成AIの検索データベースに溜まっているだけかもね。 その時代に作られた DBに、SoftbankやNECや何より政府に対して有利になる様な変なバイアスがかかってない事を願ってやまないよ。
 善悪の判断は立場によって違うからね。AIはそのAIのDBに『教えた人』の考え方に依存するから怖い。

 100年後『2023年の7月頃に中国の広州に住んでた日本人のボヤき』というキーワードで検索したら、このブログに書き溜めた膨大なテキストデータから何か得られたらコレ幸いw
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