中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

ひとつの歴史が終わる【温故知新】

 土曜日、上海は珍しく快晴。本日はワタクシが上海に来てから最も長く通った古北にあるライブレストラン『温故知新』の駐在員ライブのファイナルである。先日の日記にも書いたが、温故知新は今月25日をもって閉店する事になってしまったのだ。上海の日本人音楽シーンに於いて誰しもが一度は立ったであろうこの店が閉店してしまうのはとても寂しい。考えてみたらワタクシの上海での音楽活動の始まりもこの店だった。そんな訳で今日は完全なボランティアのPAだが全力でサポートしようと思う。ワタクシ的な恩返しの意味を込めて。。。
 …とは言え土曜日なので朝一からドラムレッスンの講師が先だ。まずは静安寺のヤマハに向かってポピュラーミュージックコース・ドラム科のグループレッスンから。

 そして荷物をまとめて伊犁路x虹桥路にある温故知新へ。ライブ出演のためにこの門をくぐるのは最後だと思ったら急に切なくなった。

 まずは 3Fのレッスンルームに行ってドラム教室の準備。お店が閉店になるため、上海摩耶音楽教室も同時に閉室となる(経営者が同じなので) そんな訳でココでの個人レッスンも残す所あと2回になってしまった。寂しいなぁ。

 3コマ 3名の個人レッスンを終えた後、午後 5時に 1Fに降りて行って約 2時間かけて一人でライブの準備。今夜は駐在員ライブの最後なので、温故の機材を生かしつつ自前の機材を挟んで組んでみた。誰がオペしても大丈夫な様に、温故の卓をメインにして、ワタクシの XR18をトータル GEQとして挟み、パワーアンプは例の Class-Dの最新兵器を使用。巨大変圧器も忘れずに持ってきた。最悪の事態を想定して直ぐに店のパワーアンプにスイッチできる様に工夫してセット。

 そして演奏開始。まずは蘇州の Cobyさんから。とても良い雰囲気で始まる。

 次にネコさん親子。実に微笑ましい。

 今回 XR18は GEQしか使っていないがパワーアンプもデジタルになった事によって、アナログ卓から後ろはスピーカーの直前まで全てデジタルになった訳だ。

 今回持ち込んだパワーアンプは面白くらい出力が出るので、全体的に下げめで余裕のあるオペレーションができるが、アナログ卓で下げちゃうとツマラナイ音になるので、やはりアナログ側ではアゲアゲの方が良い事が分かった。やはりアナログは設計上 0dB近辺が一番音が良い。これはどうも S/Nだけの問題では無さそうだ。っつーか +3dBくらい突っ込んで少しサチュレーションを起こした位の方が音が太くなって良い音になるので、デジタルアンプを使う時はデジタル領域のみ下げてアナログ卓側はフツーに 0dB付近を振る様に調整するのがコツ…という事が分かった。使いながら分かる事も沢山ある。人はこういうのをノウハウと呼ぶ?(笑)
 そしてライブは徐々に盛り上がってきた。全部で 10組くらいの出演バンドがあり徐々に忙しくなってきたので、この辺から写真がメッチャ少ない。

 今回はワタクシも出演の出番があるので、ドラムブースから1枚。ココに座るのもこれが最後かと思うととても複雑な気持ちになった。

 その後もお客さんはどんどん増え、全然ステージが見えなくなってしまった。

 全ての演奏が終わったのが午前 2時前。いやぁ…長かった。最後は今日のイベントの主催者、前田さんからご挨拶。

 そして店長・李ママから最後のご挨拶。

 いやぁ…終わってしまった。この店でワタクシが PAをする事も、出演する事もこれでおしまい。寂しいけど、何事も始まりがあれば終わりがある。
 でも何だか最後は皆とても良い笑顔だった。深夜2時過ぎだというのに殆どのお客さんが残っていた。愛された店である証拠だ。ここで沢山の仲間に出会えた事に感謝。ただただ感謝しかない。
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