中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

小年夜に歯医者そして最後の温故

 木曜日、上海は晴れ、気温は 8度と比較的暖かい一日だった。本日は中国では『小年夜』と言って、旧正月の大晦日イブ。つまり日本で言うところの12月30日に相当する。街の小さな商店は今日から休み始める所も結構あり、何だか「いよいよ正月なんだなぁ」という感じである。
 ワタクシは朝10時から本年最後の歯医者を予約していたので妻と一緒に mobikeで行く。今日は 5番の歯の治療を終えてカブセる予定だったのだが、治療してみたらまだ内部で少しばい菌が残っているらしく、結局極細の歯間ブラシみたいな針の器具を穴の空いた歯の中心に刺して歯茎の奥の方まで掃除して、最後に注射器みたいな器具で薬を入れておしまい。神経を抜いた歯っていつもコレやるよね。21世紀なのにあまり治療法は変わっていないらしい。
 その後は軽く食事をして、ワタクシは一人で地下鉄に乗って温故知新に向かった。残念ながら昨夜で閉店してしまったので、本日は店長から買い取った機材を運び出しに行くために来たのだ。
 到着したら講師仲間である Jazzヴォーカリストの Yuko先生が先に来ていて 3階の整理をしていた。「寂しくなるねぇ」なぞと軽くおしゃべりした後は、それぞれ黙々と自分の持って行く機材を纏める。
 ココの機材に関しては、ここの音楽教室関係各位を中心に色々と協議して誰が何を引き取るかを決めたのだが、中には誰も引き取らないものとか有って、ついついワタクシ得意の『もったいない病』が発動してしまい、最終的には結構な金額を支払う事になってしまった(我ながらアフォだ(苦笑))が、でもまぁワタクシが普段受けている PA業務では使う物だし、何よりこの店の『思い出』もある品ばかりなので今後も大事に使っていこうと思う。(暗かったのでiPhoneで撮った写真はピンボケだがこんな感じである)

 例によってお友達のビストロフィオーレの太朗さんに手伝ってもらい、彼の車でイツモの YESTERDAYに運び込んだ。あ、そうそう半分くらいはビストロフィオーレ地下の LL-Barに置く事になったので、あの店に行くと漏れなく懐かしい思いができる?かもしれない(笑)
 そしてイツモの店に運び込んだ後は太朗さんと別れてワタクシは一人で店に篭って機材チェックである。長い事使い込んだ機材ばかりで、どれも結構ヘタっているので、状態を改めて確認するべく持ってきた全ての機材を自前の機材に繋いで細かくチェックしてみた。
 温故知新で使っていた(今回買い取った)メインスピーカーは YAMAHA A12Mなのだが、これはワタクシが普段タカさんの开心果の機材で転がしモニタとして使っているものと同機種である。しかし普段使い慣れてる开心果の機材と同じものなのに、コッチの方がやたら低音が出るのでチョット驚いた。さすがに10年近く毎日営業時間中に BGMを流し続けていただけある。エージングを通り越してウーファーがカナリ『熟れて』来ていて良い音だ。せっかくなので、ワタクシの所有している古い JBL JRX112Mも倉庫から引っ張りだしてきて並べて聴き比べてみた。

 比べるとキャラクターの差がハッキリ出て面白い。JBLはハイが強く、明るくてヴォーカルが前に出るパンチのある所謂『抜ける』音ではあるが、あまり音楽的では無い感じで、爆音の中で目的の音を確実にモニターする為の『道具』っぽい音だ。で、逆に温故の YAMAHAはしっとり音楽的で、比較的低域が豊かでどちらかと言うと高級オーディオっぽい音だった。出力音圧レベルが JBLの方が高い事もあり、同じ音量では聞こえ方が全然違うが、パワーアンプYAMAHAの時だけ 1ノッチあげるとちょうど良い具合に比べられるので、そのまま約 1時間くらい色々な音楽をかけて聴き比べてみた。いやぁ…なんだか FMレコパルを読んでた中学生の頃に戻った様で楽しい。
 一点気になったのは、今回引き取った P2500Sに限らず YAMAHAパワーアンプについている『YS-Processing』スイッチの謎である。コレ今まで『YAMAHA製のスピーカーを接続する際はこのスイッチを入れてください』的な事がマニュアルに書いてあったので、きっとインピーダンスマッチングでもしてくれるんだろうと勝手に思い込んで、特に深く考えずに接続先が YAMAHAだったら『いつも入れっぱなし』にしていたのだが、今日改めて音楽を聴きながらコレを ON/OFFしてみたら、アフォみたいに音が変わるじゃないか!? 何これ?意味わからん。。。このスイッチを入れると低音がやたらと煽られてしまうのだ。昔のオーディオにあったラウドネススイッチみたいな感じ? ひょっとして今まで温故で低音がハウりまくっていたのはこれのせいじゃないかなぁ? 温故に限らず YAMAHAのスピーカーを使用していようがいまいが、自分でトータル EQ作っている様なマトモな PA屋ならコレは入れない方が良いと思う。なんでこんなスイッチ付けたのかホント意味が分からん。業務用の機器でこんなの推奨しちゃマズイでしょ!酷い仕様だ。確かに 2mixのソース(CD等のBGM)をかけて比べると、スイッチを入れた方が『良い音っぽく』聞こえるが、コレ子供だましで、勝手に EQで下を煽ってるだけである。リアルな PAの現場で考えると、最終的なスピーカー直前のパワーアンプ内で勝手に 80Hz近辺を煽られてる…なんて想像するだけで怖いわ。まーったくもぅ。。。イマサラだけど気付いて良かったよホント。ま、P-Sシリーズは業務用では無くて民生機…という位置付けなのかもしれない。
 そして帰宅後はマイクの確認。4本中 3本のグリルボールが潰れていた。あ〜あ。

 しかも今まで一度も掃除した事がないらしく、中のスポンジも超絶汚れていたので掃除するだけで 1.5Hもかかってしまった。ま、でもスイッチ付き58は持っていなかったので 4本追加は何気に嬉しい。
 さて、明日はいよいよ旧正月的な大晦日!ワタクシは妻のご両親と新年を迎えるため、妻の田舎へ旅立ちます。嗚呼…寒いんだよなぁ。たくさん着るもの持っていかなきゃ。
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