中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

イベントは大成功

 日曜日、北京は晴れ、気温は 37度。本日は本番日である。晴れて良かった。
 朝 6時半起きで 7時半に待ち合わせ、そして 8時前に会場に到着。会場は北京西站近くの『世界艺术中心』という不思議な建物。ココの地下に有る。

 昨日殆ど仕込んでいたので午前中からザッと流れの確認をした後は、そのまま直ぐにリハーサルである。写真は本日のワタクシの現場。久々に『金魚鉢』の中での孤独なオシゴトである。

 今回は bilibiliを含む大手のネット『生放送』が 3社も入っていて、会場のPAとは別にこちらで mixして映像チームに音を送らなければならない。それと同時に、後日改めて映像を纏めるためにマルチレコーディングも行うのだ。そんな訳で、外音があまり聞こえない金魚鉢に機材を広げたのだが、ココがまた『気休め』程度のガラスの部屋で、会場の音が『ダダ漏れ』なので全てヘッドフォンのみで mixしなければならない。しかもヘッドフォン外部から流れ込んでくる音が結構デカいので、コチラのモニタも相当上げねばならずカナリ苦労した。
 そして開場。お客様満員!良い感じ。

 いよいよ本番である。会場の音は現地 PAに任せ、ワタクシは見えない先に居る(ネットの生放送を見ている)不特定多数の方に向けてヒタスラ気を遣いまくる…という手に汗握る2時間半である。
 生放送の mixが通常の PAと一番違う所は、生放送は、とにかく最終段で音量を 0dB付近までツンツンに上げなきゃイケナイのだ。通常のPAは、デジ卓を使う場合は、どちらかと言うとパワーアンプ側をフルテンにしてミキサー側はヘッドルームに余裕を持たせている方が良い(デジタルは基本的に S/Nが良いし、24bitも有れば音が小さい部分での音量ダイナミクスも十分だしね。それに寧ろ上げすぎの内部クリップの方が怖いので)しかし、ネットの生放送は(ネットに限らず昨今のラジオやTVも同様だな)とにかく、音圧競争の成れの果てで、今やユーザーがマキシマイズしまくった『デカい音』に慣れきっているため、基本 0dB近くまで上がってないと「音が小さい」という文句が来るのだ。まーったく困った時代だ。
 もちろん、最終の 2mixを PCに戻して Waves L3等のソフトウェアプラグインでトータルコンプ(ブリックウォール・リミッティング)するのなら簡単なのだが、映像と合わせる関係でレイテンシーが有ってはならないから、ハードウェア上で何とかしなければならないんだなぁ。
 今回使うワタクシの XR18にも一応 STバスにコンプは付いているのだが、コレはリミッティング用途では無く、あくまで音を太くするための補助的な物の様で、最終段でレシオを∞にしてスレッショルドを -1dBくらいにしても、何故か 0dBを突き抜けてクリップが点灯するのだ。意味がワカラン。まぁ赤がが付いてもヘッドルームが有るので歪みはしないけど精神衛生上よろしくない。なので、-10dBくらいにスレッショルドを設定して、レシオを 20:1くらいで、あとは不自然にならない様な kneeを探し、最終的に+3dBくらいゲインを上げる…という、なんだかアナログちっくな使い方で逃げる事にした。
 下の写真はトークコーナー中に若干手が空いたので映像チームのブースまで行って撮ってみた。生放送はカメラが沢山あるので大変だ。

 そして、斯く斯く然々、とりあえず本番は大きなミス無く恙なく成功。いやぁ…良かった良かった。なんと、一つのサイトだけで視聴者は既に 130万人を超えていた(驚)

 3社中の1社でコレだけである。これには bilibili等は含まれていないので、全部で少なくとも200万人は軽く超えたのでは?との事。いやぁ…ワタクシの PA人生の中で自分のmixが 200万人超えたお客様に伝わったのかと思うとチョット震える。すげーな中国。分母デカっ! ミスしなくて良かったよホント。
 終了後はしゃぶしゃぶでテック系の人間だけで軽く打ち上げ。


 とは言え、みんな殆ど寝てないので早めに撤収。明日、上海に戻りまっす!
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