中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

Liveは生物

 土曜日、上海は晴れ。気温は 15度。
 本日は例によって朝からドラムレッスンである。本来は出張が予定されていた為、今週末のレギュラースケジュールは全てキャンセルしていたのだが、午後の LLでの個人レッスンは希望者が2名いたので急遽開催する事に。
f:id:hayap24bit:20181021014850j:plain
 修了後は、一旦高島屋のミニライブ現場(これもキャンセルした仕事の一つ)に寄って takaさんと M松副社長にご挨拶をした後、バンダイナムコ上海ベースに向かった。本日は知人のギタリスト Nさんが日本から来海されてライブを行う…との事でお呼ばれされたので丁度暇になった事だし応援しに行く事に。
f:id:hayap24bit:20181021015150j:plain
 最初は 2階の関係者席でノンビリとソファーに座って聴いていたのだが、あまりに歌が良かったのでチョット下に降りて 1Fの一般席(立ち見)に移動してガッツリ聴く。
f:id:hayap24bit:20181021015309j:plain
f:id:hayap24bit:20181021015317j:plain
f:id:hayap24bit:20181021015335j:plain
 いやぁ…素晴らしいライブだった。オケ有りとは言え、たった二人でワンマンのフルステージを演じるのは結構タイヘンなのだ。
 色々と感じた事は多いが、それでもラストは素で感動してしまった。音楽はやっぱり深いね。送り手の伝えたい『気持ち』というのは、言葉じゃなくて魂(タマシイ)の塊(カタマリ)みたいなモノだ(漢字がとても似ている事に気付いてびっくりしたけど) 演者が『私はコレを伝えたいのです!』という『ココロの叫び』みたいな『何か』が有れば、言葉なんて理解できなくても音楽という音のバイブレーションに乗っかって必ず伝わるんだな…という事を再認識した良いステージだった。言葉なんて所詮二次的なモノだよ。


 さて、上記の件とは関係無いが、80年代の日本の某トップアイドルが SSAでのドームライブを『観客動員数が少ないから』という理由でドタキャンした…というニュースを Yahooで見かけたのだが、この記事を読んで、文字ベースのメディアの記者の書き方(特に見出しタイトル)に悪意を感たので、自分の目で確かめる事にした。日本は何につけ悪人を作り上げ、そのヒトを袋叩きにする姿を晒して喜んでいる傾向が強い昨今なので些か閉口している。何はともあれ『百聞は一見に然ず』なので実際のインタビュー動画を YouTubeで検索して探して観たワケだ。そしたらやはりバイアスがかかっている風に感じた。これ単なる『我が儘』だけじゃないと思うよ。彼は良いオトナなので敢えて詳細を口にしないだけだと思う。演者サイドは契約の段階で『ハコの大きさはともかく満員にできる会場で演りたい』という要望を何度も言っていた可能性が高い。逆に言えば「SSAだと大きすぎるからもう少し小さいハコにしましょうよ!」的な提案が彼の事務所サイドから有った可能性も否定できない。それでも「大丈夫大丈夫!」と半ば強引に Goした見切り発車が問題になってるんじゃないかなぁ?(…と、個人的には想像するワケですハイ) 某S氏ご本人が『演ってる側じゃないと判らない事』って言ってるのがとても印象的だった。ミュージシャンなんて芸術家なんだから人それぞれ『拘るポイント』が違って良いと思うのですよ。それを「こっちの方が儲かりますよ」的な話で片付けようと強引に話を進める業者が多いのは事実。そりゃビジネスだから儲からなければ意味が無いカモしれないが。でもそこで『アーティストが拘っているポイント』という大局を見失ってはイケナイと思うのですよ。ワタクシ個人的に(規模は違えど)イベンター業に携わってる身として、そこだけは気を付けている部分だし。
 ファンはアーティストの拘ってる部分が観たいだけで、『ビジネスとして』『仕方なく』『イヤイヤこなしている』現場なんかを観たいとは思わないからね。某S氏のネット上の記事を見かける度に、彼一人が悪者…的な書き方がされているのにチョット違和感を覚えるんだなぁ。確かに遠くから新幹線や飛行機に乗って観に来たお客様やご年配の方で無理して来られた方も多いと思うのでドタキャンなんて絶対やっちゃイケナイ事ですよ。でも Liveって瞬間芸術なので、精神力(メンタリティ)も非常に重要だと思うのだ。予めその辺のリスクを提示していたにも関わらず、営利目的で無理矢理遂行させられそうになった際に疑問を感じて「約束が違うでしょ」と言って彼がとった判断に対して、個人的には『理解』はできるのです。『共感』するかどうかは別として。
 あ、誤解を招くとイケナイので改めて書くが、彼のとった行動を肯定しているワケでは無いですよ。もちろん『表現者(アーティスト)』たるもの、お客様有りきだし、絶対にお客様目線じゃなきゃイケナイ。だから1人でもお客様が来て下さっているならば絶対に演奏するべきだと思うし、演奏しなきゃイケナイと思う(もちろん自分なら喜んで全力で集中して演奏する) でも巷のメディアで書かれている『本人の我が儘で』『お客さん少ないから急に機嫌を損ねた』…みたいな書き方には少し違和感を感じてしまったワケですわ。
 ま、決して褒められた事件じゃないけど、70になってもピュアに音楽を追い続ける姿は素敵だな〜なんて改めて(笑) あくまで想像だけど、主催イベンター側の「本人のギャラが減るわけじゃないんだから別に良いじゃないですか」「ただでさえ赤字なんだから演って下さいよ〜、ちゃんとお金払ってるでしょ?」的な傲慢な!?態度に「お金の問題じゃないんだよ」と一石を投じたかっただけじゃないのかなぁ? それを暗に『意地』と言ってる様な気がした。(規模がデカ過ぎてびっくりだけど)
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村