中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

納豆は泡がだいじ

 土曜日、上海は雨のち曇り。気温は 26度。

 朝 8時半、松江の寮にて起床。外はバケツをひっくり返した様な大雨でびっくり。さすが梅雨まっさかりである。
 天気予報を見たら多少は回復傾向だったし、まぁ今日は午後から用事が有るだけなので、午前中は寮でノンビリ過ごして小雨になるのを待つ事にした。
 そして午前 11時、予報通りかなり小降りになったので、寮を出て路面電車と地下鉄を乗り継いで市の中心部に向かった。結局タイミングを逃して朝飯が食えなかったので朝から松江大学城駅の『すき家』にて朝昼兼用の食事をし、その後は地下鉄 9号線で街に繰り出す。

 一旦帰宅してから楽器類を纏めて、雨も殆ど霧雨?程度だったので自転車でスタジオに向かった。本日も Rock Shanghaiの 3スタである。
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 本日も例によってオルタナバンドの方のリハだったのだが、なんだかスネアの音が変だ。スナッピーの音が全然しないのだ。「あれれ?」と思って、チューニング落としたりスナッピーのテンションを調整してみたりしたが全然埒が明かないので、ひっくり返して確認したら、裏に『エンペラー・クリア』が張られていた。そりゃ鳴らないわ。これ打面用だもの。
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 スネアの裏はスナッピーが有るので『スネアサイド』と呼ばれる極薄の皮じゃないとダメなのだよ。エンペラーって打面用だし、しかもかなり厚めな方じゃん?
 そういえば先般、裏の皮が破けてるのをスタジオの阿姨に伝えた所「張り替えとくわ」と言っていたので、透明だから同じだと思ってこの分厚いヘッドを張ってしまったのだろう。まぁドラマーじゃなきゃ知らないわな。一応阿姨には伝えておいたが今日は時間も勿体無いのでこのまま演奏する事にした。

 そんなこんなで約 2時間ほどディープなオリジナル楽曲を演奏。このバンドは演奏する毎に毎回少しずつ変化するので、一度として同じ結果にならないから実に面白い。まるでJazzみたいだ(いや楽曲の傾向としては Emo系デスボイス有り、パンク系シャウト有りのかなり激しく重たいロックなんだけどね、毎回演奏結果が変わる…という意味ではJazzっぽい…という意味だよw)でも明らかに「あうんの呼吸」みたいなのが最近出てきて良い感じ。成長を感じる。

 リハ後は、腹も減ったので歩いていける蒙自东路にある日本料理『酒神』へ。壁一面に獺祭の箱があって壮観な眺め。
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 このバンドは全員呑兵衛なので、オツマミ中心?で愉しく呑む。
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 そうそう、中国の納豆はパサパサしていて美味しく無いモノが多いのだが、これ、一工夫でかなり美味しくなるのですよ。一工夫というのは『とにかく混ぜまくる』事である。混ぜて混ぜてクリーミーな泡で豆が見えなくなるまで混ぜると、非常にジューシーになって美味しいのだよ。
 …とか何とか!? 色々とウチのベースボーカルに説明しながらひたすら納豆を混ぜる…の図。こりゃ完全に親子の図だな。あはは。
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 こっちのバンド『Kill Automation』は、ベース&ボーカルが 20代、ギタリストが今年 40になったばかり、そしてワタクシ 54という。ほぼ 3世代に渡る 3ピースバンドなので、聴いてきた音楽は絶対的に違う筈なのだが、なぜか音楽的趣味嗜好がとても近いので、一度音を出し始めると、このワタクシが一番圧倒されてしまう…という始末。音楽のパワーってほんと凄いわ。これだから中国のワカモノと一緒にバンドを演るのは止められない。オリジナル曲を演ると、想像を絶する展開に行くから、まったく予測不能で実に面白いのだ 。逆にいうと洋楽のコピーやらカヴァーを演らせると全然面白く無いんだけどねw でも、そりゃ日本人だって同じじゃん?欧米人の血を超えられるワケが無い。 やっぱりドメスティックに自分達らしさを出して融合して『世の中に無いもの』を作っていく醍醐味って格別に楽しい。ほんと80年代初頭の日本のインディーズ界みたいだ。

 その後も日本酒に手を出して結構良い感じに酔っ払って、いつものダメおやじの出来上がり。
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 いやぁ…実に週末らしい楽しい日だった。
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