中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

久々の現場

 水曜日、上海は快晴、気温は 30度。

 朝 6時半、黄浦の自宅にて目覚ましに叩き起こされる。嗚呼…眠い。

 取り敢えず持っていく荷物を再確認して、昨夜深夜に届いた最新のスケジュールと回線表を印刷し、タクシーを呼んで江宁路 x 宜昌路にある『バンダイナムコ上海ベース』に向かった。本日は某大手 b社のオフライン収録イベントのライブレコーディング業務が有るのだ。
 昔の同僚であり長年の戦友であるカンザキから直々に頼まれた仕事のため無碍に断れないから会社を休んで対応。

 朝 8時半前に現着したらエレベーターが動いてなくて軽く凹む。腰に気を付けながら重い機材を階段で運んだら映像チームは既に作業に入っていた。

 暗いホールに足を入れた途端に、何だか懐かしい空気感に頬が緩む。思わず無意識に日本語で「おはようございます!」なんてホールに響き渡る大声で叫んでしまってから、今日は中国系のイベントだった事を思い出して『キョトン』としたスタッフの視線を浴びて少々恥ずかしい思いをする。
 知り合いの会場スタッフ数人が笑いながら「好久不见!(久しぶり!)」と助け舟を出してくれて助かったが、あのまま『シーン』としたままだったら「SETのコントかよ!」って感じになるところだった(それはそれで!? ジワジワと面白いが / 笑)

 何人か懐かしい顔と軽く挨拶した後はテーブル並べてサクッとセッティング。会場内は既にエアコンが入っていて快適極まりない。

 本日のワタクシの現場。
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 今日はマルチRec担当なので、会場の卓 M7CL/48から 32chを direct out(HAのみ)でパラって貰い、midas m32Rをオーディオ I/Fとして使い Macbook Pro上で ProToolsを回す。
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 バックアップは midasからパラって16chに落としてワタクシの Soundcraft Ui24RをI/Fにして Macbook Air上で走る Logic Proに録っておく。

 面白いのは、今回録音に使う Mac用オーディオ I/Fは、両方とも本来はインターフェースじゃなくて『PA卓』なんだよね(笑) この方がルーティング等々、オーディオI/Fよりもずっと融通が効くから超便利なのだ。音も良いしね。

 そんなこんなで時間は待ってくれないので直ぐに収録開始。様々なアーティストが取っ替え引っ替え出演するのでデータの管理が中々タイヘン。
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 もちろん映像収録なので無観客である。とは言え、やっぱり現場は楽しいね! この緊張感がタマランわ。とにかく機材がトラブらない事を祈るのみ。
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 カンザキはテック周りの総合監督なので忙しそうだが、相変わらずテキパキ動いてアチコチ指示していた。サスガである。
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 最後の収録が終わったのが 22時過ぎ。いやぁ…疲れた〜!長かったわ。

 でも一息吐く間もなく直ぐにバラしである。このギョーカイ、余韻に浸れないのだけが難点だな。
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 23時前に会場を後にした。タクシーを待つ間、フト見上げたらボンヤリとした月が出ていた。
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 やっぱりイベント業は楽しいなぁ…なんてシミジミ考えてしまったよ。新型肺炎のせいで、世界中からこの業界が存続危機に陥ってるのが残念でならない。

 アレが無かったら、多分ワタクシも今頃このギョーカイに居続けられただろうに。。。

 人生どこでどうなるか、誰にも予測不能だねホント。とは言え、こうしてタマに声を掛けてくれる仲間がいるのはホント有り難い。常に現場に居ないと新しい技術は学べないからね。こんな機会をくれたカンザキに感謝だ。
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