中国de音楽4

中国在住の日本人音楽家による、日々の日記です。

Wavesのキーが入ってるUSBメモリが壊れた

 火曜日、上海は晴れ、気温は 23度でやや涼しくなった?気がしないでもない。

 朝 7時に松江区の寮にて自然起床(五十肩の痛みで起きるので不自然起床だな)イツモ通りのルーチンでノンビリと朝の準備をして、午前 9時過ぎに寮を出て徒歩 10分通勤にてオフィスへ。
 歩いていたら、途中の歩道にある桜がどんどん良い感じに咲い来て嬉しくなる。
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 昨日、『iPhoneカメラはこういうゴチャゴチャした絵は苦手だろう』なんて書いたが、なんとかマトモに撮れないか色々とチャレンジしてみた。そもそもレンズは明るいので、フォーカスさえ合ってしまえば、AI合成なんかしなくても結構被写界深度が浅い絵が撮れるだろう…と思ってトライしたら、ちゃんと撮れたw
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 あまりバカにすると 12Pro Maxくんがスネ出してヘソを曲げるからちゃんと褒めてあげなきゃね。

 さて、オフィスに到着してからは、仕事はほぼ普段通りで、デスクワーク&会議&創作活動的な仕事内容で特に大きなトピックは無し。

 ただ、ここ数日の、上海市内の『PCR ローラー大作戦!?』のおかげで、ウチの社員も出社できる人間が大分減ってきて閑散としてきた感は否めない。うーむ。何というか『宣言していないだけ』で、実際はユルいロックダウンにかなり近い様相を呈してきた気がしないでもない。
 ま、とは言え、我々の様なゲーム業界を含む IT企業は、PCとネットさえあればどこでも仕事できちゃうギョーカイなので、予め準備さえしておけば特に大きな混乱なく在宅勤務にシフトできるワケさ。故に売り上げやら納期やらはあまり心配していないが、気持ち的にビミョーである。 あの忌々しき!? 2020年の春のモラトリアムな時間を思い出して少々ウンザリしちゃったりして…。

 さて、午後に会議が終わってから、イツモ通り自室スタジオにてフツーに ProToolsを立ち上げたら、なんと! Plugin Alliance社のプラグインがオーサライズエラーが発生して起動しないじゃないか(驚)それに Wavesのプラグインも同様にオーサライズエラーの表示が出る。あれれ???

 不審に思って色々調べてみたら、ななななんと! Wavesと Plugin Allianceのライセンスキーを入れていた USBメモリーにエラーが発生して読み込みできない状態になっていた(驚)えーーーーー!!!まじか!? ちゃんとマウントはするし中も見ることができるのだが、全て見たことがないアイコンに変わっていて、しかも容量が 0byteになってるのだ(汗汗汗)
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 うっひゃ〜。何度か正式な手順を踏んでイジェクトして挿し直してみるも同じ症状。っつーか別のポートに刺したらどんどん症状が悪くなって、さっきまで残り容量は少ししか空いてなかったのに、次にみたら「空っぽ」状態(ホントに 0byteになったものとして計算されて残り容量が表示されてる感じ?)になっていた。
 試しに Windowsに挿して確認してみても症状は全く同じ。あちゃ〜、やっちまったぜぃ。コレ、元々は全部フォルダだったのだよ。そしてその中に大事なライセンスキーやら資料やらが入っていたのだが、全部消えてしまったらしい。(なぜWavesだけフォルダが見えるか?というと、多分さっき ProToolsを起動した時にシステムディスクのプリファレンスを参照して、フォルダが無かったので勝手に新しく作成されたのだろう。

 Wavesのライセンスは、ワタクシ 25年以上前から使っている正規ユーザーで、その間にコツコツ買い集めてきたプラグイン類の全てのライセンス情報が入ってるので(たぶん数百万円は注ぎ込んでる)、メチャメチャ焦ったが、こういう焦った時『こそ』落ち着かなければならない。

 一旦ちゃんと手順を踏んで正常にプラグオフし、USBメモリを目の前に置き、深呼吸をして、暫くジッと眺めて対応を検討する事にした。さて、どうしたものか…
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 こういう時に素人が犯しがちなミスは、慌てて『ディスクユーティリティ』系のツールをかける事である。経験から学んだ事なのだが、コレは絶対にやってはイケナイ。ディスクユーティリティ系は本当に最後の手段なのだ。特にライセンスキー系は、フツーじゃ見えない場所に独自の暗号化技術で不可視ファイルみたいなものを不安定に埋め込んでる場合があるので、ツールで無理やり整合性をとってしまうと取り返しのつかない事になる場合が多いのだ。故に、まずは今以上に悪化させない事がだいじ。『現状維持』が必須である。現状維持を保ったまま、安全にキーを抜き出す作業を最優先する。

 改めてさっきキャプチャーしておいたファイルのリストを確認したところ、特に絶対に復帰しなきゃイケナイもの(ココにしか入ってないもの)は、Wavesのキーくらいで、Plugin Allianceのキーは 3つずつあるので、最悪これは失ってもまだあと 2つ残っている…という事に気付いた。
 ただ、念のため外からこのキーを回収できないかどうかオフィシャルサイトにログインして userページで自分のライセンス情報を見たら、なんと!Plugin Alliance社のプラグインは Web上でライセンスを強制的に吸い上げる事が可能だったのだ(つまり当該キーを無効にして、あらたにオーサライズしなおす事が可能な仕様だった)これは、正規ユーザーが、既に使わないマシンや人に譲ったマシンからライセンスを一旦自分のものとして引き上げる事により、キーを抜かれた側のパソコンでは再度認証しない限り継続利用ができない…という仕組みになってるらしい。つまり、オフィシャル WebページにログインするためのユーザーIDとPWを知ってる人が最も優先される仕組み…というワケだ。頭良いわ。これなら判りやすいし、物理的に破損したり紛失しても痛くないものね。

 てなワケで、壊れたUSBメモリの中に存在していた、Plugin Alliance社のプラグインは全て回収成功。YEAH! あとはWavesだけだな。

 よくよく観察してみたら、Wavesフォルダだけ残っていて中を確認する事ができたので確認してみたら、普段は確か 2つファイルが入っていた筈だが今は一つしか入っていない。しかしフォルダが作成された日時は古いままなので、どうやら新しく作られたワケではない?のかな。でも中のファイルは本日の日付だった。つまり後から正常に『touch』されてるワケだ。

 このUSBメモリは FAT16でフォーマットされてるので、いわゆる昔のフロッピーと同じフォーマットである。ワタクシ、MS-DOS世代の PC小僧なので、この辺は詳しいのだが、FAT形式とは、フロッピーディスクやハードディスク等で『ランダムアクセス』を可能にするために作られた仕様で、データはシーケンシャルには格納されておらず、先頭にある『File Allocation Table』というインデックステーブル(CDでいうところの TOCエリアみたいなもの)が有って、そこにファイルの先頭セクタや容量みたいな情報のみが書き込まれており、実データは後ろの方に存在するわけさ。

 例えば、分厚い『本』に例えて説明すると、『目次』部分が FATエリアなワケ。要するに PCは、まず『目次』部分を検索して、本文が何ページにあるか知ってから、実際に本文を読みに行く…という事を行なっているのだよ。もし知りたい内容が飛び飛びだった場合は、FATエリアに複数の情報が書いてあって、それを数珠繋ぎに読んでいけば、頭から総ナメするよりずっと効率的に探せるでしょ?

 なので、もし何らかの障害によってこの FATエリア(本でいう『目次』部分)が壊れてしまうと実データの場所(実際に書かれた内容)が仮に完全な状態で生きていたとしても、位置が分からなくなるから読み込めないし、ゆえに 0byteと表示される…事は有り得るな、と考えたワケさ。まぁ磁気ディスクと違ってUSBメモリなので、実際の内部動作は違うんだろうけど、理論上はそういう事だと思われる。

 では、なぜ他のフォルダが全部壊れてるのにこのWavesだけ見えてるか?というのは謎だが、逆に言うとチャンスかもしれないワケさ。
 そんな訳で、まずは Waves社のオフィシャルホームページの userエリアでワタクシのキーがこの USBメモリに存在している…という事を確認した後、このページ上ではどうする事もできない事がわかったので、手に汗握りながら、Waves Central(Mac上でライセンスを管理するアプリ)を開く事にした。

 デスクトップの裏側に、このUSBメモリのフォルダを開いた状態でリアルタイムで監視していたら、起動時に(シンクロ時に)何か書き込んでる様な動作をしている。つまりこの USBメモリは、今既に入っているデータは全く読めないが、どうやら新たな書き込みはできる様なのだ。おおお!これなら助かるかも!?
 とりあえずキーのIDが正規の物である事だけ(多分、数十byte)確認できれば、ライセンスを一旦クラウド上に引き戻す事が可能な筈である。Waves社は USB毎に固有のユニークな番号を生成してIDとして振っており、それをUSBのどこかのエリアに暗号化して保存しているのだと思われる。つまりこのキーID番号さえ拾えれば助かる見込みがある、って事じゃない?

 手に汗握りながら、ほんと祈る様な気持ちで画面を見守っていたら、どうやらシンクロが無事に終了し、画面上には『当該キーのUSBメモリが刺さった状態』として認識されてるじゃないか!おー!(嬉)やった!

 慌てずに、手順を間違えない様に、なるべく「少ない回数の読み書き」だけで、全てのキーをクラウド上に引っ張り上げなければならない。何度も指差し確認を行なって、最後に「えいやっ!」っとボタンを押してみた。
 すると案外あっけなくスルッと全てのライセンスがライセンスクラウドに移動完了する事ができたじゃないか!おおおおお!!狂喜乱舞?するつもりが、その前にハゲしく疲れて、大きく息をついて思わず椅子に倒れ込んでしまったよw いやぁ…良かった。ホント良かった。

 まぁきっと USBメモリなんて消耗品だし、壊れたり紛失したりする事もあるだろうから、色々とメーカー側でも救済措置をとっているのだろうが、いまから全て英語で交渉してやりとりするのは面倒だし、何せ毎日使ってる物なのでダウンタイムは1分でも短い方が良いワケさ。なので復帰できて本当に良かった。

 その後、抜け殻の(文字通り0 byteの)USBキーをディスクユーティリティにかけて色々修正をトライしてみたが、FATエリアを色々と修正したみたいで、その後『修正完了』として出てきたUSBを確認してみたら、案の定!?上記と何一つ変わりない 0バイトの表示で、ホントに0バイトの綺麗なディスクが出来上がったワケさ。(多分中途半端に残っていたインデックス情報まで綺麗に消されてしまっただろう)
 試しに新たにフォルダを作ったり、データをコピーしたりしてみたら、フツーに使えたので、多分整合性はとれているのだろうが、一度トラブったUSBメモリほど怖いものはない。これはゴミ箱へ直行決定(もちろん後日破壊してからね)で、直ぐにタオバオで新しいUSBメモリを手配したのは言うまでもない。

 フト気になって過去のブログを検索して調べてみたら、コレ買ったのは 2016年の12月くらいだった。つまり 6年も使ってたワケか。そりゃ寿命だわな。もっと早く交換するべきだった。あはは。

 そういえば iLokもかなり長い事使ってるのでコレもそろそろ物理的に交換した方が良いかもね。近いウチにスペアを手配しようっと。

 午後はフツーにお仕事してたらあっという間に 20時半。今日はリテイクバージョンを提出してキリが良かったのでまっすぐ帰る事に。

 帰宅後は例によってザッと熱いシャワーを浴びてからワイン片手に日本で録画したニュース番組を見ていたら、バンド仲間からギタートラックが送られてきたので、早速寮の部屋で軽くミックス。今日の USBメモリが修正できてホント良かったよ。
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 寮にあるTVは巨大なのだが 4K対応していないため FHD (1080p)で表示されるから、何もカモが恐ろしくデカくて笑ってしまった。

 ワイン片手に作業してたら、何だか結構自分で盛り上がってしまいフト気付けば午前 2時である。慌ててベッドに飛び込んだ。ちょっと飲みすぎたカモw
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